PowerShellとは?Windows Server管理の基本コマンドを学ぶ

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WINDOWS SERVER / BEGINNER — LESSON 12

この記事はWindows Server初級講座の一部です。 Windows Serverの基本操作や管理方法を、 初めて学ぶ方にも分かりやすく解説しています。

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前の記事では、 Windowsサービスの役割や、 サービス管理画面を使用した状態確認・開始・停止方法を学びました。

Windows Serverでは、 これらの管理操作をマウスで行うだけでなく、 コマンドを入力して実行する方法もあります。

その代表的な管理ツールが PowerShell(パワーシェル)です。

PowerShellを使うと、 サーバーのOS情報やネットワーク設定、 サービス・プロセスの状態などを コマンドから確認できます。

この記事では、 PowerShellとは何かという基本から、 Windows Server管理で利用する代表的なコマンドまで 順番に学習します。

🎯 この記事で学べること

PowerShellの基本的な仕組みとコマンドの書き方を理解し、 Windows Serverの情報・ネットワーク設定・サービス・ プロセスを確認する基本コマンドを使えるようになることを目標にします。

目次

PowerShellとは?

PowerShellとは、 Microsoftが提供する コマンド操作や処理の自動化に利用できるツールです。

Windows Serverには、 サーバーマネージャーやイベントビューアーなど、 GUIで操作するための管理ツールが用意されています。

一方、PowerShellでは、 コマンドを入力することで サーバー情報の取得や設定変更などを行えます。

GUI管理とPowerShell管理の違い
🖱️ GUIによる管理 画面を開いて操作する
↔
⌨️ PowerShellによる管理 コマンドを入力して操作する

どちらもWindows Server管理に利用できます。 操作内容や目的に応じて使い分けます。

PowerShellを利用するメリット

🔎 情報を確認しやすい

OS情報やサービス、 ネットワーク設定などを コマンドから取得できます。

⚙️ 操作を効率化できる

毎回管理画面を開かなくても、 コマンドを使って操作できます。

🔁 自動化につなげられる

スクリプトを作成することで、 複数の処理をまとめて実行できます。

💡 PowerShellはコマンドプロンプトと何が違う? どちらもコマンドを入力して操作できますが、 PowerShellにはコマンドレットやパイプラインなど、 管理操作や自動化に適した仕組みがあります。 コマンドプロンプトで使用するコマンドと、 PowerShellのコマンドレットは同じものではありません。
Windows PowerShell 5.1とPowerShell 7について Windows Serverには、Windows PowerShell 5.1が標準搭載されている 環境があります。一方、PowerShell 7は別途インストールして 利用できる新しい系統です。 利用できるコマンドやモジュールはバージョンによって 異なる場合があります。 本記事では、Windows Serverで利用する Windows PowerShell 5.1を基本に説明します。

PowerShellを起動する方法

まずはWindows ServerでPowerShellを開いてみましょう。

01
Windows Serverにサインインする

Windows Serverのデスクトップ画面を開きます。

02
スタートメニューを開く

「Windows PowerShell」を検索します。

03
Windows PowerShellを起動する

PowerShellのウィンドウが表示されます。

04
コマンドを入力する

コマンドを入力してEnterキーを押すと、 処理が実行されます。

「Windowsキー + R」を押して powershell.exe と入力する方法でも起動できます。

Windows PowerShell — □ ×
Windows PowerShell
Copyright (C) Microsoft Corporation.

PS C:\Users\Administrator> Get-Date

Thursday, October 29, 2026 10:00:00 AM

PS C:\Users\Administrator>
※ PowerShell画面のイメージです。日時やプロンプトは環境によって異なります。

PS C:\Users\Administrator> は、 コマンドを入力する位置を示す プロンプトです。

なお、コマンドを入力する際に 「PS C:\…>」の部分まで入力する必要はありません。

⚠ 管理者としての起動は必要なときだけ 一部の設定変更には管理者権限が必要ですが、 基本的な情報確認では不要な場合もあります。 初めは一般的な権限で情報取得コマンドを試し、 本番サーバーでは運用手順に従ってください。

PowerShellコマンドの基本的な書き方

PowerShellでは、 動詞-名詞(Verb-Noun)という形式の コマンドレットが多く使用されます。

例えば、サービスの情報を取得するコマンドは Get-Service です。

動詞(Verb) Get

情報を取得する

区切り –

動詞と名詞を区切る

名詞(Noun) Service

対象はサービス

つまり、 Get-Service は 「サービスの情報を取得する」 という意味になります。

よく使う動詞

動詞 主な意味 コマンド例
Get 情報を取得する Get-Service
Start 対象を開始する Start-Service
Stop 対象を停止する Stop-Service
Restart 対象を再起動する Restart-Service
Set 設定を変更する Set-Service
最初はGet系のコマンドを覚えよう 今回の学習では、 主に情報を取得するためのGet系コマンドを使用します。 Start・Stop・Setなどは 実際のサービス状態や設定を変更するため、 本番サーバーで安易に実行しないようにしましょう。

パラメーターとは?

PowerShellでは、 コマンドの後ろに パラメーターを付けることで、 対象や動作を指定できます。

コマンド例:サービスを指定する PowerShell
Get-Service -Name WinRM

この場合、-Name がパラメーター、 WinRM が対象サービスの名前です。

Get-Service だけで実行した場合は、 一覧を取得します。 -Name を付けると、 対象を指定して確認できます。

Windows Server管理で覚えたい基本コマンド

ここからは、 Windows Serverの運用保守で利用する 基本的なPowerShellコマンドを紹介します。

コマンド 確認できる内容
Get-ComputerInfo OSやコンピューターの情報
Get-NetIPConfiguration IPアドレス・ゲートウェイ・DNSなど
Get-Service Windowsサービスの状態
Get-Process 実行中のプロセス
Get-ChildItem ファイルやフォルダーの一覧
Get-Help コマンドの説明や使い方

Get-ComputerInfo:Windows Serverの情報を確認する

Get-ComputerInfo は、 コンピューターやWindowsの情報を取得するコマンドです。

OSの種類やバージョン、 コンピューター名などを確認したい場合に利用できます。

コンピューター情報の取得 PowerShell
Get-ComputerInfo

このコマンドでは多数の情報が取得されるため、 必要な項目だけを表示することもできます。

必要な情報だけを表示する PowerShell
Get-ComputerInfo | Select-Object CsName, OsName, OsVersion

Select-Object は、 取得した情報の中から 表示したい項目を選択するためのコマンドです。

💡 |(パイプ)の意味 | はパイプラインと呼ばれ、 前のコマンドで取得した結果を 次のコマンドに渡す役割があります。 PowerShellでは単なる文字列ではなく、 オブジェクトを次のコマンドへ渡せることが特徴です。

Get-NetIPConfiguration:ネットワーク設定を確認する

Windows Serverの通信トラブルを調査するときには、 IPアドレスやゲートウェイ、DNS設定の確認が重要です。

これまでGUIや ipconfig で確認した内容を、 PowerShellから取得することもできます。

ネットワーク設定の確認 PowerShell
Get-NetIPConfiguration

以下は出力例です。

実行結果の例 OUTPUT
InterfaceAlias       : Ethernet
InterfaceIndex       : 5
IPv4Address          : 192.168.10.20
IPv4DefaultGateway   : 192.168.10.1
DNSServer            : 192.168.10.53
※ 学習用の出力例です。実際の表示形式や設定値は環境によって異なります。
項目 内容
InterfaceAlias ネットワークインターフェースの名前
IPv4Address IPv4アドレス
IPv4DefaultGateway デフォルトゲートウェイ
DNSServer DNSサーバー設定

ネットワークに接続できない場合は、 まず設定値が想定どおりになっているかを確認します。

なお、Get-NetIPConfiguration は、 既定では接続中の対象インターフェースを中心に表示します。 切断中や仮想インターフェースも含めて確認したい場合は、 Get-NetIPConfiguration -All を利用できます。

Get-Service:Windowsサービスの状態を確認する

前の記事では、 services.msc を使って Windowsサービスの状態を確認しました。

PowerShellでは、 Get-Service を使って サービスの情報を取得できます。

サービスの一覧を確認 PowerShell
Get-Service

特定のサービスを指定する場合は、 -Name パラメーターを使用します。

WinRMサービスの確認 PowerShell
Get-Service -Name WinRM
実行結果の例 OUTPUT
Status   Name    DisplayName
------   ----    -----------
Running  WinRM   Windows Remote Management (WS-Management)
※ 学習用の出力例です。実際の状態は環境によって異なります。

Status には、 Running や Stopped などの状態が表示されます。

このようにPowerShellからでも、 サービス管理画面で見ていた内容を確認できます。

前のレッスンで学んだGUI操作との対応
🖱️ services.msc サービス管理画面
↔
⌨️ Get-Service PowerShellで状態を取得
⚠ サービスを操作するコマンドも存在する PowerShellには、 Start-Service、 Stop-Service、 Restart-Service などのコマンドもあります。 これらは実際にサービスの動作を変更するため、 本番サーバーでは影響範囲や運用手順を確認してから使用します。 今回の学習では、状態を取得する Get-Service を中心に覚えましょう。

Get-Process:実行中のプロセスを確認する

プロセスとは、 コンピューター上で実行されている プログラムの実行単位です。

Get-Process を使うと、 現在動作しているプロセスの情報を確認できます。

プロセス一覧の取得 PowerShell
Get-Process

多数のプロセスが表示されるため、 最初の5件だけを表示する例を確認してみましょう。

先頭5件だけ表示する PowerShell
Get-Process | Select-Object -First 5 Name, Id, CPU

このコマンドでは、 プロセス名、プロセスID、 CPU使用時間などの情報を確認できます。

-First 5 は、 先頭から5件の結果を選ぶ指定です。

サービスとプロセスの違い Windowsサービスは、OSやアプリケーションの機能を バックグラウンドで提供する仕組みです。 プロセスは実行中のプログラムの単位であり、 サービスはプロセスを通じて動作します。 複数のサービスが1つのプロセスを共有する場合もあります。

Get-ChildItem:ファイルやフォルダーを確認する

PowerShellでは、 ファイルやフォルダーの一覧を確認することもできます。

Get-ChildItem は、 指定した場所にある項目を取得するためのコマンドです。

Windowsフォルダーを確認 PowerShell
Get-ChildItem -Path C:\Windows

このコマンドを実行すると、 C:\Windows にある ファイルやフォルダーの一覧が表示されます。

-Path は、 確認する場所を指定するためのパラメーターです。

💡 Linuxコマンドとの関係 Linuxを学んだことがある方は、 ls を思い浮かべるかもしれません。 PowerShellでも ls などの別名を 利用できる環境がありますが、 Windowsでは Get-ChildItem という 正式なコマンドレット名も覚えておくと役立ちます。

Get-Help:コマンドの使い方を調べる

PowerShellには非常に多くのコマンドがあります。 そのため、すべてを暗記する必要はありません。

コマンドの使い方が分からないときは、 Get-Help を利用できます。

Get-Serviceのヘルプを見る PowerShell
Get-Help Get-Service

また、コマンドの実行例を確認したいときは、 次のように入力します。

実行例を確認する PowerShell
Get-Help Get-Service -Examples

ただし、環境によっては ヘルプファイルがインストールされておらず、 詳細な説明が表示されない場合があります。

また、使用可能なコマンドを探したい場合は、 Get-Command を利用できます。

サービス関連コマンドを探す PowerShell
Get-Command *-Service

コマンドの名前を覚えきれなくても、 必要なときに調べて使えること が重要です。

ここで実際に試してみよう:PowerShellの実行結果を確認する

ここまでに紹介したコマンドを、 学習用の疑似PowerShell画面で確認してみましょう。

下のボタンを選択すると、 コマンドと実行結果の例が切り替わります。 実際のサーバーへコマンドを送信するものではありません。

INTERACTIVE PRACTICE

PowerShellコマンド体験

確認したいコマンドを選んでください。

Windows PowerShell — 学習用サンプル
PS C:\> Get-ComputerInfo | Select-Object CsName, OsName, OsVersion

CsName       : SERVER01
OsName       : Microsoft Windows Server
OsVersion    : 10.0.xxxxx
コンピューター名やOS情報などを確認できます。
実際のWindows Serverでも試してみよう 学習用の検証環境がある場合は、 Windows PowerShellを起動して Get-Service や Get-NetIPConfiguration を実行してみましょう。 表示される結果と、その意味を確認することが大切です。

PowerShellを障害調査で使うときの考え方

Windows Serverで障害が発生した場合、 最初から設定を変更するのではなく、 現在の状態を確認して原因を切り分ける ことが重要です。

例えば、 「サーバー上のアプリケーションに接続できない」 という問い合わせがあった場合を考えてみましょう。

PowerShellを使った障害調査の流れ
🌐 ネットワーク Get-NetIPConfiguration
→
⚙️ サービス状態 Get-Service
→
🔎 原因調査 ログや設定を確認

症状に応じて確認する順序は変わります。 ここでは基本的な切り分けの一例を示しています。

IPアドレスやDNSの設定が正しいか、 関連するサービスが実行中かなどを調べることで、 原因の候補を絞り込めます。

ただし、 Get-Service で 「実行中」と表示された場合でも、 アプリケーション全体が正常に機能しているとは限りません。

必要に応じて、 イベントビューアーやアプリケーション固有のログ、 通信状態なども合わせて確認しましょう。

PowerShellを使うときの注意点

PowerShellは便利な管理ツールですが、 コマンドによっては サーバーの動作や設定に影響します。

01
コマンドの役割を理解する

何の情報を取得するのか、 どの設定を変更するのかを確認してから実行します。

02
管理者権限が必要か判断する

必要以上に高い権限でPowerShellを実行しないようにします。

03
本番環境では運用ルールに従う

サービス停止や設定変更は、 影響範囲や変更手順を確認して実行します。

04
不明なコマンドをそのまま実行しない

Webサイトなどで見つけたコマンドは、 内容を理解してから利用します。

⚠ PowerShellではシステムを変更できる Stop-Service や Restart-Computer など、 サーバーの利用者に影響するコマンドもあります。 学習段階では情報取得を中心に行い、 設定変更や再起動は検証環境で十分に確認してから利用しましょう。

理解度チェック:サービスの状態を調べたい場合は?

次の場面を考えてみましょう。

INTERACTIVE CHECK

まず実行すべきコマンドを選ぼう

Windows Serverで、 特定のサービスが動作しているか確認したいと考えています。 まだ原因が分からないため、 サービスの状態を変更する必要はありません。

適切なコマンドはどれでしょうか?

確認問題:PowerShellの基本を理解できたか確認しよう

最後に3問の確認問題に挑戦してみましょう。 選択肢を押すと、正解と解説が表示されます。

QUESTION 01

PowerShellのコマンドレットでよく使用される命名形式はどれですか?

QUESTION 02

Windows ServerのIPアドレスやDNS設定を確認するコマンドはどれですか?

QUESTION 03

PowerShellのコマンドの使い方が分からないとき、 確認に利用できるコマンドはどれですか?

まとめ

今回は、 PowerShellの基本的な仕組みと Windows Server管理で使うコマンドを学びました。

01
PowerShellは、 コマンド操作や自動化に利用できる管理ツールです。
02
コマンドレットには Get-Serviceのような動詞-名詞形式が多く使われます。
03
Get-ComputerInfoやGet-NetIPConfigurationで、 OSやネットワーク設定を確認できます。
04
Get-ServiceやGet-Processで、 サービスやプロセスの状態を調べられます。
05
分からないコマンドはGet-Helpで調べ、 本番環境では操作の影響を確認することが重要です。

PowerShellのコマンドは数多くありますが、 最初からすべてを覚える必要はありません。

まずは、OS情報やネットワーク設定、 サービスの状態などを確認できるようになりましょう。 GUIとPowerShellの両方を使えるようになると、 Windows Serverを管理する際の選択肢が広がります。

NEXT LESSON — 13

次は「Active Directoryとは?ドメイン管理の基本を理解する」を学びましょう

Windows Serverの基本操作と管理方法を理解したら、 次はActive Directoryを利用したドメイン管理へ進みます。 ドメイン、ドメインコントローラー、 ユーザーやコンピューターの集中管理について学習します。

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