この記事はWindows Server初級講座の一部です。 Windows Serverの基本操作や管理方法を、 初めて学ぶ方にも分かりやすく解説しています。
Windows Server初級講座の一覧を見る →前の記事では、 Windowsサービスの役割や、 サービス管理画面を使用した状態確認・開始・停止方法を学びました。
Windows Serverでは、 これらの管理操作をマウスで行うだけでなく、 コマンドを入力して実行する方法もあります。
その代表的な管理ツールが PowerShell(パワーシェル)です。
PowerShellを使うと、 サーバーのOS情報やネットワーク設定、 サービス・プロセスの状態などを コマンドから確認できます。
この記事では、 PowerShellとは何かという基本から、 Windows Server管理で利用する代表的なコマンドまで 順番に学習します。
PowerShellの基本的な仕組みとコマンドの書き方を理解し、 Windows Serverの情報・ネットワーク設定・サービス・ プロセスを確認する基本コマンドを使えるようになることを目標にします。
PowerShellとは?
PowerShellとは、 Microsoftが提供する コマンド操作や処理の自動化に利用できるツールです。
Windows Serverには、 サーバーマネージャーやイベントビューアーなど、 GUIで操作するための管理ツールが用意されています。
一方、PowerShellでは、 コマンドを入力することで サーバー情報の取得や設定変更などを行えます。
どちらもWindows Server管理に利用できます。 操作内容や目的に応じて使い分けます。
PowerShellを利用するメリット
OS情報やサービス、 ネットワーク設定などを コマンドから取得できます。
毎回管理画面を開かなくても、 コマンドを使って操作できます。
スクリプトを作成することで、 複数の処理をまとめて実行できます。
PowerShellを起動する方法
まずはWindows ServerでPowerShellを開いてみましょう。
Windows Serverのデスクトップ画面を開きます。
「Windows PowerShell」を検索します。
PowerShellのウィンドウが表示されます。
コマンドを入力してEnterキーを押すと、 処理が実行されます。
「Windowsキー + R」を押して
powershell.exe と入力する方法でも起動できます。
Windows PowerShell Copyright (C) Microsoft Corporation. PS C:\Users\Administrator> Get-Date Thursday, October 29, 2026 10:00:00 AM PS C:\Users\Administrator>
PS C:\Users\Administrator> は、
コマンドを入力する位置を示す
プロンプトです。
なお、コマンドを入力する際に 「PS C:\…>」の部分まで入力する必要はありません。
PowerShellコマンドの基本的な書き方
PowerShellでは、 動詞-名詞(Verb-Noun)という形式の コマンドレットが多く使用されます。
例えば、サービスの情報を取得するコマンドは
Get-Service です。
情報を取得する
動詞と名詞を区切る
対象はサービス
つまり、
Get-Service は
「サービスの情報を取得する」
という意味になります。
よく使う動詞
| 動詞 | 主な意味 | コマンド例 |
|---|---|---|
| Get | 情報を取得する | Get-Service |
| Start | 対象を開始する | Start-Service |
| Stop | 対象を停止する | Stop-Service |
| Restart | 対象を再起動する | Restart-Service |
| Set | 設定を変更する | Set-Service |
パラメーターとは?
PowerShellでは、 コマンドの後ろに パラメーターを付けることで、 対象や動作を指定できます。
Get-Service -Name WinRM
この場合、-Name がパラメーター、
WinRM が対象サービスの名前です。
Get-Service だけで実行した場合は、
一覧を取得します。
-Name を付けると、
対象を指定して確認できます。
Windows Server管理で覚えたい基本コマンド
ここからは、 Windows Serverの運用保守で利用する 基本的なPowerShellコマンドを紹介します。
| コマンド | 確認できる内容 |
|---|---|
Get-ComputerInfo |
OSやコンピューターの情報 |
Get-NetIPConfiguration |
IPアドレス・ゲートウェイ・DNSなど |
Get-Service |
Windowsサービスの状態 |
Get-Process |
実行中のプロセス |
Get-ChildItem |
ファイルやフォルダーの一覧 |
Get-Help |
コマンドの説明や使い方 |
Get-ComputerInfo:Windows Serverの情報を確認する
Get-ComputerInfo は、
コンピューターやWindowsの情報を取得するコマンドです。
OSの種類やバージョン、 コンピューター名などを確認したい場合に利用できます。
Get-ComputerInfo
このコマンドでは多数の情報が取得されるため、 必要な項目だけを表示することもできます。
Get-ComputerInfo | Select-Object CsName, OsName, OsVersion
Select-Object は、
取得した情報の中から
表示したい項目を選択するためのコマンドです。
| はパイプラインと呼ばれ、
前のコマンドで取得した結果を
次のコマンドに渡す役割があります。
PowerShellでは単なる文字列ではなく、
オブジェクトを次のコマンドへ渡せることが特徴です。
Get-NetIPConfiguration:ネットワーク設定を確認する
Windows Serverの通信トラブルを調査するときには、 IPアドレスやゲートウェイ、DNS設定の確認が重要です。
これまでGUIや ipconfig で確認した内容を、
PowerShellから取得することもできます。
Get-NetIPConfiguration
以下は出力例です。
InterfaceAlias : Ethernet InterfaceIndex : 5 IPv4Address : 192.168.10.20 IPv4DefaultGateway : 192.168.10.1 DNSServer : 192.168.10.53
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| InterfaceAlias | ネットワークインターフェースの名前 |
| IPv4Address | IPv4アドレス |
| IPv4DefaultGateway | デフォルトゲートウェイ |
| DNSServer | DNSサーバー設定 |
ネットワークに接続できない場合は、 まず設定値が想定どおりになっているかを確認します。
なお、Get-NetIPConfiguration は、
既定では接続中の対象インターフェースを中心に表示します。
切断中や仮想インターフェースも含めて確認したい場合は、
Get-NetIPConfiguration -All を利用できます。
Get-Service:Windowsサービスの状態を確認する
前の記事では、
services.msc を使って
Windowsサービスの状態を確認しました。
PowerShellでは、
Get-Service を使って
サービスの情報を取得できます。
Get-Service
特定のサービスを指定する場合は、
-Name パラメーターを使用します。
Get-Service -Name WinRM
Status Name DisplayName ------ ---- ----------- Running WinRM Windows Remote Management (WS-Management)
Status には、
Running や
Stopped などの状態が表示されます。
このようにPowerShellからでも、 サービス管理画面で見ていた内容を確認できます。
Start-Service、
Stop-Service、
Restart-Service
などのコマンドもあります。
これらは実際にサービスの動作を変更するため、
本番サーバーでは影響範囲や運用手順を確認してから使用します。
今回の学習では、状態を取得する
Get-Service を中心に覚えましょう。
Get-Process:実行中のプロセスを確認する
プロセスとは、 コンピューター上で実行されている プログラムの実行単位です。
Get-Process を使うと、
現在動作しているプロセスの情報を確認できます。
Get-Process
多数のプロセスが表示されるため、 最初の5件だけを表示する例を確認してみましょう。
Get-Process | Select-Object -First 5 Name, Id, CPU
このコマンドでは、 プロセス名、プロセスID、 CPU使用時間などの情報を確認できます。
-First 5 は、
先頭から5件の結果を選ぶ指定です。
Get-ChildItem:ファイルやフォルダーを確認する
PowerShellでは、 ファイルやフォルダーの一覧を確認することもできます。
Get-ChildItem は、
指定した場所にある項目を取得するためのコマンドです。
Get-ChildItem -Path C:\Windows
このコマンドを実行すると、
C:\Windows にある
ファイルやフォルダーの一覧が表示されます。
-Path は、
確認する場所を指定するためのパラメーターです。
ls を思い浮かべるかもしれません。
PowerShellでも ls などの別名を
利用できる環境がありますが、
Windowsでは Get-ChildItem という
正式なコマンドレット名も覚えておくと役立ちます。
Get-Help:コマンドの使い方を調べる
PowerShellには非常に多くのコマンドがあります。 そのため、すべてを暗記する必要はありません。
コマンドの使い方が分からないときは、
Get-Help を利用できます。
Get-Help Get-Service
また、コマンドの実行例を確認したいときは、 次のように入力します。
Get-Help Get-Service -Examples
ただし、環境によっては ヘルプファイルがインストールされておらず、 詳細な説明が表示されない場合があります。
また、使用可能なコマンドを探したい場合は、
Get-Command を利用できます。
Get-Command *-Service
コマンドの名前を覚えきれなくても、 必要なときに調べて使えること が重要です。
ここで実際に試してみよう:PowerShellの実行結果を確認する
ここまでに紹介したコマンドを、 学習用の疑似PowerShell画面で確認してみましょう。
下のボタンを選択すると、 コマンドと実行結果の例が切り替わります。 実際のサーバーへコマンドを送信するものではありません。
PowerShellコマンド体験
確認したいコマンドを選んでください。
PS C:\> Get-ComputerInfo | Select-Object CsName, OsName, OsVersion CsName : SERVER01 OsName : Microsoft Windows Server OsVersion : 10.0.xxxxx
Get-Service や
Get-NetIPConfiguration を実行してみましょう。
表示される結果と、その意味を確認することが大切です。
PowerShellを障害調査で使うときの考え方
Windows Serverで障害が発生した場合、 最初から設定を変更するのではなく、 現在の状態を確認して原因を切り分ける ことが重要です。
例えば、 「サーバー上のアプリケーションに接続できない」 という問い合わせがあった場合を考えてみましょう。
症状に応じて確認する順序は変わります。 ここでは基本的な切り分けの一例を示しています。
IPアドレスやDNSの設定が正しいか、 関連するサービスが実行中かなどを調べることで、 原因の候補を絞り込めます。
ただし、
Get-Service で
「実行中」と表示された場合でも、
アプリケーション全体が正常に機能しているとは限りません。
必要に応じて、 イベントビューアーやアプリケーション固有のログ、 通信状態なども合わせて確認しましょう。
PowerShellを使うときの注意点
PowerShellは便利な管理ツールですが、 コマンドによっては サーバーの動作や設定に影響します。
何の情報を取得するのか、 どの設定を変更するのかを確認してから実行します。
必要以上に高い権限でPowerShellを実行しないようにします。
サービス停止や設定変更は、 影響範囲や変更手順を確認して実行します。
Webサイトなどで見つけたコマンドは、 内容を理解してから利用します。
Stop-Service や
Restart-Computer など、
サーバーの利用者に影響するコマンドもあります。
学習段階では情報取得を中心に行い、
設定変更や再起動は検証環境で十分に確認してから利用しましょう。
理解度チェック:サービスの状態を調べたい場合は?
次の場面を考えてみましょう。
まず実行すべきコマンドを選ぼう
Windows Serverで、 特定のサービスが動作しているか確認したいと考えています。 まだ原因が分からないため、 サービスの状態を変更する必要はありません。
適切なコマンドはどれでしょうか?
Get-Serviceはサービスの状態を取得するコマンドです。 Stop-ServiceやRestart-Serviceは 実際のサービス状態を変更するため、 情報確認だけが目的の場合には適しません。
確認問題:PowerShellの基本を理解できたか確認しよう
最後に3問の確認問題に挑戦してみましょう。 選択肢を押すと、正解と解説が表示されます。
PowerShellのコマンドレットでよく使用される命名形式はどれですか?
PowerShellではGet-ServiceやGet-Processのように、 動詞-名詞の形式で命名されたコマンドレットが多く使われます。
Windows ServerのIPアドレスやDNS設定を確認するコマンドはどれですか?
Get-NetIPConfigurationは、 ネットワークインターフェースの設定情報を取得するコマンドです。 IPアドレスやDNSサーバー、ゲートウェイなどを確認できます。
PowerShellのコマンドの使い方が分からないとき、 確認に利用できるコマンドはどれですか?
Get-Helpを使うと、 コマンドの説明や構文などを確認できます。 環境にヘルプファイルがない場合は、 詳細な情報が表示されないこともあります。
まとめ
今回は、 PowerShellの基本的な仕組みと Windows Server管理で使うコマンドを学びました。
PowerShellのコマンドは数多くありますが、 最初からすべてを覚える必要はありません。
まずは、OS情報やネットワーク設定、 サービスの状態などを確認できるようになりましょう。 GUIとPowerShellの両方を使えるようになると、 Windows Serverを管理する際の選択肢が広がります。
次は「Active Directoryとは?ドメイン管理の基本を理解する」を学びましょう
Windows Serverの基本操作と管理方法を理解したら、 次はActive Directoryを利用したドメイン管理へ進みます。 ドメイン、ドメインコントローラー、 ユーザーやコンピューターの集中管理について学習します。
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