NTFSアクセス許可と共有アクセス許可の違いとは?Windows Serverの権限設定を解説

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この記事はWindows Server初級講座の一部です。 基礎から順番に学習したい方は、講座一覧から進めてください。

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前の記事では、 Windows Serverで共有フォルダを作成し、 ネットワーク上のクライアントPCからアクセスする方法を学びました。

しかし、実際のファイルサーバーでは、 共有フォルダを作成するだけでは十分ではありません。

「営業部は編集できる」 「ほかの部署は読み取りだけ」 「特定のユーザーはアクセスできない」 といったように、 誰がどの操作をできるのかを制御する必要があります。

Windows Serverでファイルやフォルダへのアクセスを考えるとき、 特に重要なのが NTFSアクセス許可と 共有アクセス許可です。

この記事のゴール
NTFSアクセス許可と共有アクセス許可の違いを理解し、 ローカルアクセスとネットワークアクセスで、 どのアクセス許可が関係するのか を説明できる状態を目指します。
目次

Windows Serverには2種類のアクセス許可がある

共有フォルダへのアクセスを考えるときは、 まず次の2種類を区別しましょう。

NTFS PERMISSION
🔐

NTFSアクセス許可

NTFSでフォーマットされたボリューム上の ファイルやフォルダに対して設定するアクセス許可です。

AND

名前が似ているため混同しやすいですが、 どこに設定するのか、どのアクセスで働くのか が異なります。

NTFSアクセス許可とは?

NTFSアクセス許可は、 NTFSファイルシステム上に保存された ファイルやフォルダそのものに設定するアクセス許可です。

フォルダのプロパティを開いたときの 「セキュリティ」タブから確認できます。

SalesData Properties
General
Sharing
Security
Permissions Allow Deny
Full control □ □
Modify ✓ □
Read & execute ✓ □
Read ✓ □
Write ✓ □

NTFSアクセス許可では、 読み取りだけを許可したり、 ファイルの変更を許可したり、 より細かな操作を制御できます。

NTFSアクセス許可の代表的な種類

NTFSアクセス許可には複数の種類があります。 ここでは初級で特に押さえておきたいものを確認します。

アクセス許可 概要
フル コントロール 読み取り・書き込み・変更・削除に加えて、 アクセス許可の変更なども行える強い権限
変更 ファイルやフォルダの読み取り・作成・変更・削除などが可能
読み取りと実行 ファイルの内容を読み取り、実行可能なファイルを実行できる
読み取り ファイルやフォルダの内容を読み取るための権限
書き込み ファイルやフォルダへデータを書き込むための権限
「変更」と「フル コントロール」は同じではありません

ファイルを編集・削除できるからといって、 必ずしもフル コントロールが必要なわけではありません。

必要以上に強い権限を付与せず、 業務に必要な範囲だけ許可する ことが基本です。

共有アクセス許可とは?

共有アクセス許可は、 Windows Server上の共有フォルダへ ネットワーク経由でアクセスするとき に関係するアクセス許可です。

前の記事で確認した フォルダの「共有」設定から確認できます。

👁️
READ 読み取り

ファイル名や内容の確認など、 基本的な読み取り操作を許可します。

✏️
CHANGE 変更

読み取りに加えて、 ファイルの作成・変更・削除などを許可します。

🔑
FULL CONTROL フル コントロール

変更の操作に加えて、 共有アクセス許可の変更なども可能になります。

共有アクセス許可は、 NTFSアクセス許可より種類がシンプルで、 基本的には 読み取り・変更・フル コントロール を中心に設定します。

NTFSアクセス許可と共有アクセス許可の違い

ここが今回の記事で最も重要なポイントです。

比較項目 NTFSアクセス許可 共有アクセス許可
設定対象 NTFS上のファイル・フォルダ 共有フォルダ
ローカルアクセス 適用される 適用されない
ネットワークアクセス 適用される 適用される
代表的な設定場所 プロパティ → セキュリティ プロパティ → 共有 → 詳細な共有 → アクセス許可
特徴 細かなアクセス制御が可能 共有経由のアクセスを制御

ローカルアクセスではNTFSアクセス許可が働く

まず、 Windows Serverへ直接サインインして、 サーバー内のフォルダを開く場合を考えてみましょう。

サーバー上から直接フォルダを開く場合
👤 User Local Access
→
🔐 NTFSアクセス許可 Security
→
📁 D:\SalesData Folder

この場合、 共有フォルダとしてネットワーク経由で利用しているわけではないため、 共有アクセス許可は関係しません。

LOCAL ACCESS

ローカルアクセス → NTFSアクセス許可

サーバー上から直接ファイルやフォルダへアクセスする場合は、 NTFSアクセス許可が重要になります。

ネットワーク経由では両方のアクセス許可が関係する

次に、 クライアントPCから \\SERVER01\SalesData のようなUNCパスでアクセスする場合を考えます。

ネットワーク経由で共有フォルダへアクセス
💻 Client PC Network Access
→
→
🔐 NTFSアクセス許可 NTFS Permission
→
📁 SalesData Shared Folder

ネットワーク経由では、 共有アクセス許可とNTFSアクセス許可の両方 が関係します。

NETWORK ACCESS

ネットワークアクセス → 共有 + NTFS

共有フォルダへネットワーク経由でアクセスするときは、 片方だけではなく両方の設定を確認する必要があります。

両方が設定されている場合はどうなる?

ここが初学者が特につまずきやすい部分です。

たとえばuser01に、 次のアクセス許可が設定されているとします。

CASE 01:共有側よりNTFS側が厳しい
共有アクセス許可 フル コントロール
+
NTFSアクセス許可 読み取り
→
RESULT 読み取りの範囲

共有アクセス許可ではフル コントロールでも、 NTFSアクセス許可では読み取りしか許可されていません。

そのため、 ネットワーク経由で実際に利用できる操作は 読み取りの範囲に制限されます。

CASE 02:共有側が厳しい
共有アクセス許可 読み取り
+
NTFSアクセス許可 変更
→
RESULT 読み取りの範囲

今度はNTFS側で「変更」が許可されていますが、 共有アクセス許可では「読み取り」までです。

そのため、 ネットワーク経由では共有アクセス許可によって制限され、 読み取りの範囲になります。

覚え方:両方の「共通して許可されている範囲」で操作できる

「どちらか一方が強ければ何でもできる」 というわけではありません。

ネットワーク経由では共有アクセス許可とNTFSアクセス許可の 両方を満たす必要があるため、 結果として制限の強い側に抑えられると考えると理解しやすくなります。

「拒否」は特に注意する

Windowsのアクセス許可には、 許可(Allow)だけでなく 拒否(Deny)もあります。

拒否を設定すると、 グループなどを通じて別の許可を持っている場合でも、 アクセスできなくなるケースがあります。

⚠ 「拒否」を安易に設定しない

ユーザーは複数のグループに所属していることがあります。 そのため明示的な「拒否」を多用すると、 なぜアクセスできないのか判断しにくくなることがあります。

初めのうちは、 必要なユーザー・グループだけに必要な権限を許可する という考え方を基本にしましょう。

ユーザーではなくグループへ権限を設定する

前々回の記事で、 ユーザーとグループの管理について学びました。

アクセス許可でも、 基本的にはユーザーへ一人ずつ設定するより、 用途ごとのグループを作って権限を割り当てる 方が管理しやすくなります。

グループを使ったアクセス権管理
👤 user01 User
→
👥 SalesUsers Group
→
🔐 変更 Permission
→
📁 SalesData Folder

営業部に新しいユーザーが追加された場合も、 SalesUsersグループへ追加することで、 既存の権限設計を利用できます。

NTFSアクセス許可には「継承」がある

NTFSアクセス許可を理解するうえで、 もう1つ知っておきたいのが 継承です。

フォルダのアクセス許可は、 設定によっては 親フォルダから子フォルダやファイルへ引き継がれます。

NTFSアクセス許可の継承イメージ
📁 SalesData 親フォルダ
→
📁 Reports 子フォルダ
→
📄 report.xlsx File

たとえばSalesDataフォルダに設定したアクセス許可が、 その配下のReportsフォルダやファイルへ 継承されることがあります。

継承は権限管理を効率化する仕組み

ファイル1つずつに同じアクセス許可を設定するのではなく、 親フォルダから設定を引き継ぐことで、 多数のファイルやフォルダを管理しやすくなります。

初級ではまず、 「親フォルダの権限が子へ引き継がれる仕組みがある」 と理解しておきましょう。

実務ではどのように設定する?

ファイルサーバーの権限設計には 環境ごとのルールがありますが、 基本的な考え方としては 必要最小限の権限を意識します。

利用者 必要な操作 権限イメージ
一般利用者 資料を見るだけ 読み取り
担当者 資料の作成・更新・削除 変更
管理担当者 アクセス許可の管理も必要 要件に応じてより強い権限

「念のため全員フル コントロール」 とするのではなく、 業務に必要な操作を確認したうえで 権限を決めることが重要です。

理解度チェック:実際に使える権限はどれ?

共有アクセス許可とNTFSアクセス許可の組み合わせを考えてみましょう。

INTERACTIVE CHECK

クライアントPCから共有フォルダへアクセスします。

共有アクセス許可:フル コントロール
NTFSアクセス許可:読み取り

正解:B
ネットワーク経由では共有アクセス許可と NTFSアクセス許可の両方が関係します。 NTFS側で読み取りまでしか許可されていないため、 共有側がフル コントロールでも読み取りの範囲に制限されます。

確認問題:NTFSと共有アクセス許可を理解できたか確認しよう

最後に3問の確認問題に挑戦してみましょう。

QUESTION 01

Windows Server上から直接フォルダへアクセスする場合、主に関係するアクセス許可はどれですか?

正解:A. NTFSアクセス許可
サーバー上から直接アクセスする場合、 共有を経由しないため共有アクセス許可は適用されません。 NTFSアクセス許可が重要になります。
QUESTION 02

クライアントPCからネットワーク経由で共有フォルダへアクセスする場合、どのアクセス許可が関係しますか?

正解:C
ネットワーク経由では、 共有アクセス許可とNTFSアクセス許可の 両方が関係します。
QUESTION 03

共有アクセス許可が「読み取り」、NTFSアクセス許可が「変更」の場合、ネットワーク経由ではどうなりますか?

正解:B
ネットワーク経由では両方のアクセス許可を満たす必要があるため、 共有側で読み取りまでしか許可されていなければ、 読み取りの範囲に制限されます。

次はWindows Serverの更新管理を学ぼう

ここまでで、 Windows Serverでファイルを共有し、 ユーザーやグループに応じて アクセスを制御する基本を理解できました。

次に学習するのは、 Windows Serverを安全かつ安定して運用するうえで欠かせない Windows Updateと更新プログラムです。

Windows Serverを継続的に更新する
🪟 Windows Server Server OS
←
📦 更新プログラム Updates
←
☁️ Update Service Update Source

次の記事では、 Windows Updateとは何か、 なぜWindows Serverにも更新が必要なのか、 更新プログラムの基本的な種類や 再起動との関係などを学習します。

まとめ

今回は、 NTFSアクセス許可と共有アクセス許可の違いについて学習しました。

01

NTFSアクセス許可は、 NTFS上のファイルやフォルダに設定するアクセス許可

02

共有アクセス許可は、 共有フォルダへネットワーク経由でアクセスするときに関係する

03

ローカルアクセスでは NTFSアクセス許可が適用される

04

ネットワーク経由では 共有アクセス許可とNTFSアクセス許可の両方が関係する

05

権限はユーザーへ個別設定するより、 グループを利用して必要最小限に管理する と運用しやすい

NEXT LESSON

次は「Windows Updateと更新プログラムの基本」を学びましょう

ファイル共有とアクセス許可を理解したら、 次はWindows Serverを安全に運用するための更新管理を学びます。 Windows Updateの役割や更新プログラムの基本、 再起動が必要になる理由などを確認していきます。

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