IPアドレスとは?IPv4の仕組み・構成・プライベートIPをわかりやすく解説

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前の記事では、 EthernetなどのL2通信で使われる MACアドレスについて学びました。

MACアドレスを利用すると、 同じL2ネットワーク上でEthernetフレームを 適切な機器へ転送できます。

しかし、実際のネットワークでは 同じLAN内だけで通信するわけではありません。

たとえば自宅のPCからインターネット上のWebサーバーへアクセスする場合、 複数のネットワークを越えてデータを目的地まで届ける必要があります。

そこで重要になるのが、 IPアドレス(IP Address)です。

「192.168.1.10」のような数字には、 どんな意味があるのでしょうか?

この記事では、 ネットワーク学習で特に重要な IPv4アドレスを中心に、 IPアドレスの役割・構造・種類について学習します。

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LESSON GOAL この記事のゴール

IPv4アドレスの数字を暗記するだけではなく、 「IPアドレスによってネットワーク上の通信相手を識別する」 という基本的な役割と、 IPv4アドレスの32ビット構造を理解することを目指します。

目次

IPアドレスとは?

IPアドレスとは、 IP(Internet Protocol)を利用した通信で、 ネットワーク上の通信相手を識別するために使われるアドレス です。

たとえば、あるPCに次のIPv4アドレスが設定されているとします。

IPv4 ADDRESS 192.168.1.10

ネットワーク上では、 このようなIPアドレスを利用して 「どの機器へデータを届けるのか」を判断します。

IPアドレス=ネットワーク上の住所

初学者の段階では、 IPアドレスを「ネットワーク上の住所」 と考えると理解しやすくなります。

IPアドレスはOSI参照モデルの第3層で使われる

以前学習したOSI参照モデルでは、 IPアドレスは 第3層(ネットワーク層) で重要になる情報です。

L4 トランスポート層 TCP / UDP・ポート番号
L3 ネットワーク層 IPアドレス ← 今ここ
L2 データリンク層 MACアドレス
L1 物理層 信号・ケーブルなど

TCP/IPモデルでは、 IPは インターネット層 で利用されます。

IPアドレスとルーティングを利用することで、 同じLANだけでなく、 異なるネットワークを越えて目的地までデータを転送 できます。

MACアドレスとIPアドレスは何が違う?

前の記事で学習したMACアドレスと、 今回学習するIPアドレスは役割が異なります。

L2
🔀

MACアドレス

L2上の転送先

Ethernetなどで、 現在のL2区間における転送先を識別します。

AA:BB:CC:DD:EE:FF
L3
🌐

IPアドレス

ネットワーク上の通信相手

複数のネットワークを越えて、 最終的な通信相手を識別します。

192.168.1.10
L2とL3をセットで覚える

MACアドレス → L2
IPアドレス → L3
と整理しておくと、 スイッチとルーターの役割も理解しやすくなります。

IPアドレスがあると別ネットワークへ通信できる

たとえば、 PCからインターネット上のWebサーバーへ通信するとします。

💻 PC 192.168.1.10
→
📡 Router 経路を判断
→
🌐 Internet
→
🖥️ Web Server 宛先IP

ルーターは、 IPパケットに含まれる宛先IPアドレスなどを確認して、 次にどのネットワークへデータを転送するのかを判断します。

これが、 IPアドレスがL3の通信で重要になる理由です。

IPv4アドレスは32ビットで構成される

現在も広く利用されている IPv4(Internet Protocol Version 4) では、IPアドレスは 32ビットで構成されます。

しかし、人間が32個の0と1を毎回読むのは大変です。

そこでIPv4では、 32ビットを8ビットずつ4つに分け、 10進数へ変換して表記します。

8bit 192
.
8bit 168
.
8bit 1
.
8bit 10
8bit + 8bit + 8bit + 8bit = 32bit

この8ビット単位のまとまりを オクテット(octet) と呼びます。

192.168.1.10は4オクテット

「192」「168」「1」「10」がそれぞれ1オクテットです。 IPv4アドレスは4つのオクテットで構成されています。

なぜIPv4の数字は0~255なのか

IPv4アドレスの各オクテットは8ビットです。

8ビットでは、 次のように8個の0または1を組み合わせます。

1 1 1 1 1 1 1 1

8ビットすべてが1の場合、 2進数では 11111111 となります。

これを10進数へ変換すると、 255です。

128 1
64 1
32 1
16 1
8 1
4 1
2 1
1 1
128 + 64 + 32 + 16 + 8 + 4 + 2 + 1 = 255

すべて0なら0になるため、 IPv4アドレスの各オクテットは 0~255 の範囲になります。

ここで実際に試してみよう:8ビットを10進数に変換する

IPv4を理解するため、 簡単な2進数→10進数変換を試してみましょう。

下のビットをクリックすると0と1を切り替えられます。

INTERACTIVE LAB

IPv4 8bit Calculator

IPv4
128 64 32 16 8 4 2 1
DECIMAL 192

11000000

IPアドレスには「ネットワーク」と「機器」を識別する情報がある

IPv4アドレスを理解するとき、 もう一つ重要になる考え方があります。

IPアドレスは大きく、 ネットワークを識別する部分と そのネットワーク内の機器を識別する部分 に分けて考えます。

NETWORK ネットワークを識別
HOST ネットワーク内の機器を識別

それぞれ、 ネットワーク部と ホスト部 と呼びます。

ただし、 次のようにIPv4アドレスだけを見ても、

192.168.1.10

「どこまでがネットワーク部で、 どこからがホスト部なのか」 は判断できません。

そこで必要になるのが、 次の記事で学習する サブネットマスクです。

IP ADDRESS 192.168.1.10 + SUBNET MASK ???

→ ネットワーク部とホスト部を判断できる

サブネットの計算はまだしなくてOK

今回は 「IPアドレスにはネットワークを識別する部分と 機器を識別する部分がある」 というところまで理解してください。 境界の判断方法は次の記事で詳しく学びます。

グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス

IPv4アドレスを学ぶと、 グローバルIPアドレスと プライベートIPアドレス という言葉も登場します。

🌐

グローバルIPアドレス

インターネット上で通信するために使用される、 グローバルに一意となるIPアドレスです。

🏠

プライベートIPアドレス

家庭や企業などの内部ネットワークで 使用するために予約されているアドレス範囲です。

IPv4のプライベートIPアドレス範囲

代表的なプライベートIPv4アドレスの範囲は次の3つです。

範囲 よく見る例
10.0.0.0 ~ 10.255.255.255 10.0.0.10
172.16.0.0 ~ 172.31.255.255 172.16.1.10
192.168.0.0 ~ 192.168.255.255 192.168.1.10

家庭のネットワークで 192.168.x.x というIPアドレスを見たことがある人も多いでしょう。

家庭のPCはなぜプライベートIPでインターネットへ通信できる?

家庭内のPCに 192.168.1.10 のようなプライベートIPアドレスが設定されていても、 Webサイトへアクセスできます。

💻 PC Private IP 192.168.1.10
→
📡 Router アドレス変換
→
🌐 Internet Global IP

一般的な家庭環境では、 ルーターがNAT/NAPTなどの仕組みを利用して 内部のプライベートIPアドレスと 外部通信で使うアドレスの変換を行います。

NATの詳細は今後学習しますので、 この段階では 「LAN内ではプライベートIPを使い、 外部通信ではルーターが間に入る」 というイメージで十分です。

IPv4以外にIPv6もある

IPアドレスには、 今回学習しているIPv4のほかに IPv6もあります。

IPv4 32bit 192.168.1.10
IPv6 128bit 2001:db8::1

IPv6では128ビットのアドレス空間を利用します。

ただし、ネットワークの基本を学ぶ段階では、 まずIPv4を理解してからIPv6へ進む方が分かりやすいため、 この記事ではIPv4を中心に扱っています。

理解度チェック:IPv4アドレスを分類してみよう

次のIPv4アドレスをクリックして、 プライベートIPアドレスかどうか確認してみましょう。

アドレスを選択してください

プライベートIPv4アドレスかどうか判断してみましょう。

IPアドレスはネットワーク障害の切り分けでも重要

IPアドレスは、 実際のネットワーク運用でも頻繁に確認します。

CASE 01 正しいIPアドレスが設定されている?

想定しているネットワークのIPアドレスが 設定されているか確認します。

CASE 02 IPアドレスが重複していない?

同じネットワーク上でIPアドレスが重複すると、 正常な通信ができなくなる原因になります。

CASE 03 通信相手のIPへ到達できる?

pingなどを利用して、 IPレベルで通信できるか確認することがあります。

確認問題:IPv4の基本を理解できたか確認しよう

最後に3問の確認問題へ挑戦してみましょう。

QUESTION 01

IPv4アドレスは何ビットで構成されていますか?

正解:B

IPv4アドレスは32ビットで構成され、 8ビットずつ4つのオクテットに分けて 10進数で表記するのが一般的です。

QUESTION 02

次のうちプライベートIPv4アドレスはどれですか?

正解:A

192.168.0.0~192.168.255.255は、 プライベートIPv4アドレスとして使用される範囲です。

QUESTION 03

IPアドレスと特に関係が深いOSI参照モデルの層はどれですか?

正解:C

IPはOSI参照モデルの 第3層ネットワーク層と深く関係します。 IPアドレスを利用してネットワークを越えて データを目的地へ届けます。

YOUR SCORE 0 / 3

3問に挑戦してみましょう。

IPアドレスだけではネットワーク部とホスト部を判断できない

ここまでで、 IPv4アドレスが32ビットで構成され、 ネットワーク上の通信相手を識別するために使われることを学びました。

そしてIPアドレスには、 ネットワークを識別する部分と ネットワーク内の機器を識別する部分 があることも紹介しました。

しかし、

192.168.1.10 のどこまでが 「ネットワーク部」なのでしょうか?

IPv4アドレスだけを見ても、 その境界を判断することはできません。

そこで次に必要になるのが サブネットマスクです。

CURRENT IPアドレス 32bitの住所
→

次の記事では、 サブネットマスクを使って IPアドレスのネットワーク部とホスト部を どのように判断するのかを学習します。

まとめ

今回は、IPアドレスとIPv4の基本について解説しました。

01

IPアドレスは ネットワーク上の通信相手を識別するためのアドレス

02

IPv4アドレスは 32ビット・4オクテット で構成される

03

各オクテットは8ビットのため、 10進数では0~255で表される

04

IPv4には グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス がある

05

IPアドレスにはネットワーク部とホスト部があり、 その境界を判断するために 次にサブネットマスクを学ぶ

NEXT LESSON

次は「サブネットマスクとは?役割を理解する」を学びましょう

IPv4アドレスの基本構造を理解したら、 次はIPアドレスをネットワーク部とホスト部に分けるために使われる サブネットマスクを学びます。 255.255.255.0のような数字が何を表しているのか理解すると、 同じネットワークにいる端末を判断する仕組みが見えてきます。

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