Windows Serverを学び始めると、最初に 「普段使っているWindows 11とは何が違うの?」 という疑問が出てくるのではないでしょうか。
どちらもMicrosoftが提供するWindowsですが、 Windows Serverは一般的なPCで使われるWindowsとは 目的が大きく異なります。
Windows 11などは、ユーザーがパソコンを操作するための クライアントOSです。
一方でWindows Serverは、 複数のユーザーやコンピューターに対して サービスを提供したり、まとめて管理したりするためのOS として利用されます。
最初からActive DirectoryやDNSなどの細かい機能を覚える必要はありません。 まずは、 「Windows Serverは何のために存在するのか」 を理解するところから始めましょう。
この記事では、 Windows ServerとクライアントOSの違いを説明できる状態 を目指します。 あわせて、Windows Serverが企業環境でどのような役割を持つのかも整理します。
この記事はWindows Server初級講座の一部です。 学習順を確認したい場合は講座一覧から確認できます。
Windows Server初級講座を見る →Windows Serverとは?
Windows Serverとは、Microsoftが提供している サーバー用途向けのWindows OSです。
Windows 11などのクライアントOSと同じようにWindowsという名前が付いていますが、 想定されている使い方は異なります。
Windows 11など
ユーザーが利用するWeb閲覧、Office、業務アプリなど、 1人のユーザーがPCを操作することが主な目的です。
Windows Server
サービスを提供・管理する複数のユーザーやPCに対して、 ファイル共有や認証などの機能を提供します。
Windows 11など=ユーザーが利用する側
Windows Server=ユーザーやPCへサービスを提供・管理する側
そもそも「サーバー」とは何?
Windows Serverを理解する前に、 サーバーという言葉を整理しておきましょう。
サーバーとは、 ネットワークを通じて他のコンピューターへ 何らかの機能やデータを提供する側 のことです。
反対に、サーバーからサービスを受ける側を クライアントと呼びます。
たとえば会社で100人の社員が同じファイルを利用するとします。
100台のPCそれぞれに同じファイルを保存すると、 更新やアクセス管理が大変です。
そこでWindows Serverに共有フォルダを用意し、 社員のPCからネットワーク経由でアクセスできるようにすれば、 データを一か所で管理できます。
Windows ServerとWindows 11は何が違う?
Windows ServerとWindows 11は、 画面操作など似ている部分もあります。
しかし、 OSとして想定されている役割 には大きな違いがあります。
| 項目 | Windows Server | Windows 11など |
|---|---|---|
| 主な目的 | サービス提供・システム管理 | ユーザーによるPC操作 |
| 主な利用場所 | 企業・組織・データセンターなど | 個人・企業のクライアントPC |
| 利用者 | 主にシステム管理者 | 一般ユーザー |
| 代表的な用途 | Active Directory・DNS・DHCP・ ファイル共有・Web・仮想化など | Web閲覧・Office・業務アプリなど |
| 管理対象 | 複数のユーザー・PC・サービス | 基本的にそのPCを利用するユーザー |
Windows ServerにはGUIを利用できる構成もあるため、 Windows 11に近い感覚で操作できる部分があります。 大切なのは見た目ではなく、 「何のために使われるOSなのか」 という違いです。
Windows Serverではどのようなことができる?
Windows Serverには、 企業システムで必要となるさまざまな機能を追加できます。
代表的なものを見てみましょう。
Active Directory
ユーザーやコンピューターを 組織全体でまとめて管理します。
ファイルサーバー
社内で利用するファイルを保存し、 複数ユーザーから共有できるようにします。
DNSサーバー
コンピューター名やドメイン名と IPアドレスの対応を管理します。
DHCPサーバー
PCへIPアドレスなどの ネットワーク設定を自動配布します。
Webサーバー
IISなどを利用して、 WebサイトやWebアプリを公開します。
Hyper-V
1台の物理サーバー上で 複数の仮想マシンを動作させます。
ここで重要なのは、 Windows Serverをインストールすると最初からすべての役割を使うわけではない という点です。
利用目的に応じて必要な役割や機能を追加し、 Windows Serverをさまざまな用途に利用します。
Windows Server = サーバー用のOS
Active Directory・DNS・DHCPなど = Windows Server上で利用する役割や機能
なぜ企業ではWindows Serverが使われる?
企業では、数十人・数百人といった多くの社員が PCや社内システムを利用します。
それらを1台ずつ個別に管理すると、 管理者の負担は大きくなります。
そこでWindows Serverを利用することで、 ユーザーやコンピューター、データ、サービスを集中管理 しやすくなります。
100台のPCで ユーザーや設定を個別管理
ユーザーや設定を 組織単位でまとめて管理
たとえばActive Directoryを利用すると、 ユーザーアカウントをサーバー側で管理できます。
社員が利用するPCごとに同じユーザーを作成するのではなく、 組織としてユーザーを管理できるようになります。
このような 複数のユーザーやPCをまとめて管理できること が、企業でWindows Serverを利用する大きな理由の一つです。
ここで実際に考えてみよう:どのサーバーが必要?
ここまで学んだ内容を使って、 会社で必要になるサーバーの役割を考えてみましょう。
下のシナリオをクリックすると、 適したWindows Serverの役割と理由が表示されます。
必要なサーバーの役割を判断する
ファイルサーバーを利用します
Windows Server上に共有フォルダを作成することで、 複数の社員がネットワーク経由で同じファイルを利用できます。 アクセス許可を設定して、利用できるユーザーを制限することもできます。
Windows Serverは1台で複数の役割を持てる
Windows Serverでは、 1台のサーバーへ複数の役割を追加することもできます。
たとえば1台のWindows Serverで DNSサーバーとDHCPサーバーを動作させる、といった構成も可能です。
ただし、実際の企業システムでは、 障害時の影響や負荷、セキュリティ、可用性などを考慮して、 役割を複数のサーバーへ分けることもあります。
現段階では、 「Windows ServerというOSに必要な役割を追加して使う」 というイメージを持っておけば十分です。
Windows ServerとクライアントOSを見分ける考え方
Windows ServerとクライアントOSの違いに迷ったら、 「誰のために動いているOSなのか」 を考えてみましょう。
ユーザー本人がPCを操作する
複数のユーザーやPCへ機能を提供・管理する
確認問題:Windows Serverの基本を理解できたか確認しよう
最後に3問の確認問題に挑戦してみましょう。
Windows Serverの主な目的として最も適切なものはどれですか?
Windows Serverは、複数のユーザーやコンピューターに対して サービスを提供したり、それらを管理したりする用途で利用されます。
社員全員で同じファイルを共有したい場合に適した用途はどれですか?
ファイルサーバーにデータをまとめることで、 複数のユーザーがネットワーク経由で同じデータを利用できます。
Windows Serverと「役割」の関係として正しいものはどれですか?
Windows ServerはOSです。 そこへActive Directory、DNS、DHCPなど、 用途に応じた役割や機能を追加して利用します。
3問に挑戦してみましょう。
Windows Serverの基本を理解したら「種類と機能」を学ぼう
ここまでで、 Windows Serverが サーバー向けのWindows OS であることを理解できました。
また、Windows Serverへ必要な役割や機能を追加することで、 Active DirectoryやDNS、DHCPなど さまざまな用途に利用できることも分かりました。
ただしWindows Serverには、 用途やライセンスの違いによって複数の エディション があります。
次の記事では、 Windows Serverのエディションと、役割・機能の考え方 を詳しく学んでいきます。
まとめ
今回は、Windows Serverとは何か、 クライアントOSとの違いや代表的な役割について解説しました。
Windows Serverは、 サーバー用途向けに設計されたWindows OS
Windows 11などは主にユーザーが操作するOS、 Windows Serverは サービスを提供・管理する側
Windows Serverでは、 Active Directory・DNS・DHCP・ファイル共有 などさまざまな用途を実現できる
Windows ServerはOSであり、 必要な役割や機能を追加して利用する
多数のユーザーやPCを扱う企業環境では、 集中管理できることが大きなメリット
次は「Windows Serverのエディションと役割・機能」を学びましょう
Windows ServerがどのようなOSなのか分かったら、 次はStandardやDatacenterなどのエディションと、 Windows Serverに追加する「役割」「機能」の違いを学びます。 ここを理解すると、サーバーマネージャーで何を設定しているのかも 分かりやすくなります。
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