「VLANを変更したら通信できなくなった」
「IPは取得しているのにGWに届かない」
「一部だけ通信できない」
VLAN変更後の通信不良は、L2設定・L3ルーティング・ARP・セキュリティ制御のどこかに必ず原因があります。
本記事では、現場でそのまま使える完全チェックリストと具体的コマンドを提示します。
📌 ネットワーク障害を体系的に整理したい方へ
症状別に切り分け手順をまとめた総合トラブルガイドはこちら。
▶ ネットワークトラブルシューティング完全ガイド
目次
まず理解する:VLAN変更で何が変わるのか?
- 接続ポートのアクセスタグ
- 端末のIPセグメント
- デフォルトゲートウェイ
- SVI(VLANインターフェース)
- FWゾーン/ACL
- DHCPスコープ
物理変更に見えても、論理構成が大きく変化しています。
【最重要】VLAN変更後の7ステップ完全チェック
- ポートのVLAN設定確認
- 端末IPアドレス確認
- DHCP動作確認
- デフォルトGW疎通確認
- SVI状態確認
- ARPテーブル確認
- FW/ACL確認
① ポートのVLAN設定確認(最頻出原因)
確認コマンド(Cisco例)
show interface status
show running-config interface Gi1/0/10
show vlan brief
見るべきポイント
- switchport access vlan が正しいか
- shutdownされていないか
- Trunk誤設定になっていないか
修正例
interface Gi1/0/10
switchport mode access
switchport access vlan 20
no shutdown
② 端末IPアドレス確認
Windows
ipconfig /all
Linux
ip addr
ip route
よくあるミス
- 固定IPのまま移行
- 古いDNS残存
- サブネットマスク誤り
DHCP再取得
ipconfig /release
ipconfig /renew
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③ DHCPが正しく機能しているか
確認項目
- 正しいスコープから払い出しされているか
- デフォルトGWが正しいか
- DNSが正しいか
スイッチ側(DHCPリレー確認)
show running-config interface vlan 20
ip helper-address の有無を確認。
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④ デフォルトゲートウェイ疎通確認
端末から
ping 192.168.20.1
通らない場合
- SVI shutdown
- ACL遮断
- ARP未解決
⑤ SVI(VLANインターフェース)状態確認
確認
show ip interface brief
正常状態
- up/up
downの場合
- そのVLANにポート未接続
- shutdown状態
⑥ ARPテーブル確認
スイッチ側
show arp
端末側
arp -a
症状
- 同一IPで古いMACが残る
対処
arp -d *
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⑦ FW/ACLによる遮断確認
VLAN変更でセキュリティゾーンが変わると通信不可になります。
確認例
show access-lists
show conn
チェックポイント
- 新セグメント許可されているか
- 内部間通信ポリシー
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よくある典型パターンまとめ
| 症状 | 原因 |
|---|---|
| IP取得不可 | DHCPリレー未設定 |
| GWにPing不可 | SVI down |
| インターネット不可 | FWポリシー未許可 |
| 断続的通信断 | ARP不整合 |
実践トラブルシュートフロー(図式化)
Link OK
↓
IP OK
↓
GW疎通OK
↓
外部疎通確認
↓
FW確認
この順番を守ることで、無駄な作業を防げます。
再発防止の設計ポイント
- VLAN変更時のチェックシート運用
- SVI事前作成
- DHCPスコープ事前確認
- ACLテンプレート管理
- 変更管理記録
まとめ
VLAN変更後の通信不良は、
- ポート設定
- IPアドレス
- DHCP
- SVI
- ARP
- FW
この順番で確認すれば必ず解決できます。
焦らず層ごとに潰すことが最短復旧への近道です。
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