スイッチ間リンクが上がらない原因と対処法【物理・設定別に解説】

  • URLをコピーしました!

スイッチ間を接続したのに リンクランプ(LNK/ACT)が点灯しないinterface が up しない ― これはネットワーク実務で非常によく遭遇するトラブルです。

本記事では、現場で最も多い原因を 物理/設定/機器障害 に分類し、チェックすべきポイントと対処方法を網羅的にまとめています。

目次

1. まず確認すべき“初動チェック”

  • ケーブルはしっかり刺さっているか
  • 異なるポートに挿していないか
  • 機器の電源は正常か
  • ポート LED ランプは点灯しているか

これらの初歩的な確認だけで、実務では 30%以上のトラブルが解決 します。

2. 【物理層】リンクが上がらない主な原因と対処法

2-1. ケーブルの種類が間違っている

スイッチ間接続で使うケーブルの選択ミスは最も多い原因です。

誤り例正しい例
Cat5(古いケーブル)Cat5e / Cat6(1Gbps)
100BASE-T のみ対応1000BASE-T 対応
MMF/SFP を SMF/SFP に接続MMF⇔MMF / SMF⇔SMF

対処:ケーブルの規格・種類を正しく合わせる。

2-2. ケーブルの断線・接触不良

現場で最も多い問題。特にパッチパネル経由の配線は要注意。

対処:

  • 別のケーブルで試す(最速の切り分け)
  • パッチパネル配線を疑う

2-3. SFP/SFP+ の種類が不一致

以下の不一致はリンクが上がりません。

  • 1G SFP と 10G SFP+ を接続
  • メーカー非純正 SFP を使用し拒否されている
  • SMF と MMF の混在
  • 波長が違う(例:1310nm と 850nm)

対処:同一規格・同一波長の SFP へ統一する。

3. 【データリンク層】設定によるリンクダウンの原因

3-1. Speed/Duplex の不一致

片側が auto、片側が固定(100/Full)などの場合、リンクが up しません。


interface GigabitEthernet1/0/1
 speed 1000
 duplex full

両側の設定を合わせてください。

最適解:基本的にどちらも auto

3-2. VLAN 未設定・Native VLAN 不一致

トランク接続で VLAN が許可されていないケースも多いです。


interface GigabitEthernet1/0/1
 switchport trunk allowed vlan 10,20,30

対処:許可 VLAN を両機器で揃える。

3-3. トランク/アクセス設定の不一致

  • 片側 Access / 片側 Trunk
  • Access VLAN が違う

これもリンクは “up” しないか、通信不可になります。


switchport mode trunk

3-4. STP によるブロッキング

リンクは up しても通信できない場合、STP が blocking にしている可能性があります。


show spanning-tree interface gi1/0/1

対処:ループの有無を確認する。

4. 【機器依存の問題】意外と多い原因

4-1. PoE ポートを誤用している

PoE 供給ポートが他機器へ電流を送ってしまい不具合になることがあります。

対処:非 PoE ポートに接続する。

4-2. ポートが shutdown 状態

設定ミスの鉄板。


interface GigabitEthernet1/0/1
 no shutdown

4-3. 機器の障害(ポート故障)

  • 古い L2 スイッチの物理ポート劣化
  • SFP スロット破損

対処:別ポートで試す。

5. 【チェックリスト】リンクが上がらない時の確認手順

以下を順番に確認すると、ほぼ必ず原因に辿り着きます。

  1. ケーブルの種類は正しいか
  2. 別ケーブルで試したか
  3. SFP の規格・波長は一致しているか
  4. Speed/Duplex は一致しているか
  5. トランク/アクセス設定は一致しているか
  6. 許可 VLAN は揃っているか
  7. ポート shutdown の可能性はないか
  8. STP にブロックされていないか
  9. 別ポートで試す

6. まとめ:スイッチ間リンクが上がらない原因の8割は“物理 or 設定ミス”

現場で頻出する原因は以下の2つです。

  • 物理層:ケーブル or SFP の不一致
  • 設定:Speed/Duplex・VLAN・Trunk mismatch

本記事のチェックリストに沿って確認すれば、迅速に原因へ辿り着けるようになります。

目次