「冗長構成なのに、なぜか片系だけ遅い」
「切替はしないが、体感速度に差がある」
「監視は正常なのにユーザーから遅いと言われる」
プロキシ冗長構成で発生する“片系だけ遅い問題”は、設計・負荷分散・セッション処理の理解不足が原因であることがほとんどです。
本記事では、
- なぜ片系だけ遅くなるのか
- 具体的な確認コマンド
- 原因別の対処法
- 再発防止設計
まで網羅し、この記事だけで解決できる内容にしています。
目次
まず理解すべき:プロキシ冗長構成のパターン
① Active-Standby型
Client → VIP → Active Proxy
② 負荷分散型(LB経由)
Client → Load Balancer → Proxy A / Proxy B
③ PACによる振り分け
return "PROXY A; PROXY B; DIRECT";
どの方式かで原因が変わります。
片系だけ遅くなる主な原因一覧
| 分類 | 原因 | 発生頻度 |
|---|---|---|
| 負荷 | CPU高騰 | 高 |
| セッション | セッション数偏り | 高 |
| ネットワーク | 非対称ルーティング | 中 |
| DNS | 名前解決遅延 | 中 |
| 設定 | SSLインスペクション差異 | 高 |
原因① CPU/メモリ使用率の偏り
確認コマンド例
show processes cpu
top
show system resources
判断基準
- 片系だけCPU80%以上
- SSL処理スレッド飽和
対策
- SSLオフロード有効化
- スレッド数調整
- 負荷分散比率見直し
原因② セッション数の偏り
ロードバランサが均等に振り分けていても、 Keep-Aliveや長時間セッションで偏ることがあります。
確認例
show session summary
show conn count
よくあるケース
- 一部ユーザーが大容量通信
- 動画・アップロード集中
対策
- セッションハッシュ方式変更
- Source IPハッシュ採用
- セッション上限統一
原因③ 非対称ルーティング
行きと戻りで経路が違うと、
- セッション破棄
- 再送増加
- 体感遅延
確認方法
traceroute 8.8.8.8
show ip route
対策
- ECMP設計見直し
- PBR確認
- FWセッション同期確認
原因④ DNS処理の差
プロキシは都度DNS問い合わせを行います。
確認
nslookup example.com
dig example.com
片系だけDNSサーバ違い
→ 応答遅延が発生します。
対策
- DNS設定統一
- ローカルキャッシュ確認
原因⑤ SSLインスペクション設定差異
片系だけSSL検査有効 → CPU増加 → 遅延
確認ポイント
- ポリシー差分
- 証明書設定差
- 暗号スイート違い
対策
- 設定同期確認
- コンフィグ差分チェック
原因⑥ NICや物理層エラー
確認コマンド
ethtool -S eth0
show interfaces counters errors
CRC増加は見逃さないこと。
実践切り分けフロー
- 両系CPU確認
- セッション数確認
- DNS応答時間比較
- traceroute比較
- NICエラー確認
- 設定差分確認
設計で防ぐベストプラクティス
- コンフィグ自動同期
- セッション数監視追加
- DNS統一設計
- 負荷分散方式明確化
- 定期負荷試験実施
まとめ
プロキシ冗長構成で片系だけ遅い原因は、
- 負荷偏り
- セッション偏り
- 経路不整合
- DNS差異
- 設定差分
この5分類でほぼ説明できます。
順番に潰せば必ず解決可能です。
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