DHCP設定変更後に特定端末だけ通信できない理由

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DHCP設定を変更した直後から、

「なぜか一部の端末だけ通信できない」

という状況に陥ったことはないでしょうか。

  • 新しくIPは取得できている
  • 同じセグメントの他端末は問題ない
  • 再起動すると直る端末と直らない端末がある

このような事象は、DHCPの仕様とキャッシュ挙動を理解していないと

「設定は合っているはずなのに原因が分からない」

という状態に陥りがちです。

本記事では、

  • なぜ「特定端末だけ」影響が出るのか
  • どこを確認すればよいのか
  • どうなれば解決と判断できるか

を、DHCPの動作原理から実務視点で整理します。

目次

まず結論:DHCP変更後の部分障害は「過去情報」が原因

DHCP設定変更後に特定端末だけ通信できない場合、

ほぼ確実に「古い情報を保持したままの端末」が存在しています。

DHCPはステートレスに見えますが、実際には以下を保持します。

  • リース情報
  • オプション(GW / DNS / MTUなど)
  • IPとMACの紐づけ

これらが端末ごとに異なる状態になることで、部分障害が発生します。

原因① 古いDHCPリース情報が残っている

現象

  • IPは取得できているが通信不可
  • 一部端末だけ挙動が違う

なぜ起きるか

DHCP設定変更後も、端末側が

  • 変更前のリースを保持
  • 再取得を行っていない

ためです。

特にリース時間が長い環境では、影響が顕著に出ます。

確認ポイント

ip addr
ip route
cat /etc/resolv.conf

対処方法

  • DHCPリースの明示的更新
  • 端末のネットワーク再起動

解決判断

全端末が同一条件でDHCP情報を再取得している

原因② デフォルトゲートウェイの不整合

現象

  • ローカル通信は可能
  • 外部通信のみ不可

なぜ起きるか

DHCPオプション(option 3)の変更が、

  • 一部端末にしか反映されていない
  • 複数GWが混在している

ためです。

確認

ip route show default

対処

  • 正しいGWをDHCPで統一
  • 手動設定の端末が混在していないか確認

解決判断

全端末が同一のデフォルトGWを参照している

原因③ DNS設定の差異

現象

  • IP指定通信は可能
  • 名前解決だけ失敗

なぜ起きるか

DHCPオプション(option 6)の変更が、

  • 反映済み端末と未反映端末で混在

しているためです。

確認

cat /etc/resolv.conf
nslookup example.com

解決判断

全端末で同一DNS設定が適用されている

原因④ IP競合・固定IPとの衝突

現象

  • 通信できたりできなかったりする
  • 特定端末だけ不安定

なぜ起きるか

DHCPプール変更時に、

  • 固定IPと範囲が重複
  • 予約IPが考慮されていない

ケースです。

確認

  • DHCP割当範囲
  • 固定IP一覧

解決判断

IPアドレスが一意に割り当てられている

原因⑤ DHCPサーバが複数存在している

現象

  • 端末ごとに設定内容が違う
  • 時間帯で挙動が変わる

なぜ起きるか

意図しないDHCPサーバが、

  • 古い設定を配布
  • 一部端末だけ応答

しているためです。

確認

  • tcpdump で DHCP OFFER の送信元確認

解決判断

DHCPサーバが単一である、もしくは役割が明確

切り分けの優先順

  1. 通信できる端末との差分確認
  2. DHCPリース更新状況
  3. GW / DNS 設定
  4. IP競合
  5. DHCPサーバの重複

「解決した」と判断できる状態

  • 全端末でDHCP設定が一致
  • 時間経過後も再発しない
  • 手動操作なしで安定通信

まとめ

  • DHCP変更後の部分障害は「古い情報」が原因
  • IPが取れている=問題なし、ではない
  • 差分を意識した切り分けが最短ルート

DHCPトラブルは、

仕組みを理解して確認すれば必ず収束させられます。

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