inuxでのネットワーク設定と管理 – 基本コマンドの使い方
ネットワーク管理はLinuxにおいて非常に重要なスキルです。
この記事では、ネットワークの設定と確認に使う代表的なコマンドを解説します。
どのコマンドも簡単に実行でき、実際のネットワーク環境のトラブルシューティングに役立ちます。
1. ifconfig / ip コマンド
ネットワークインターフェースの設定と状態を表示するために使うコマンドです。ifconfig
は主に古いバージョンのLinuxで使用されますが、現在では ip
コマンドが推奨されています。
例:
ifconfig
または、
ip addr show
ifconfig
出力例:
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:1A:2B:3C:4D:5E
inet addr:192.168.1.10 Bcast:192.168.1.255 Mask:255.255.255.0
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:1000 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:800 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
解説:
inet addr
はネットワークインターフェースのIPアドレスを示します。RX packets
とTX packets
は受信および送信パケットの統計情報です。
インターフェースを手動で設定する場合は次のようにします。
sudo ip addr add 192.168.1.10/24 dev eth0
これでIPアドレスが手動で設定されました。
ping コマンド
ネットワーク接続の確認をするために使用する最も基本的なコマンドです。
特定のホストにパケットを送信し、その応答を確認します。
例:
ping google.com
ping google.com
出力例:
PING google.com (142.250.190.206) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 142.250.190.206: icmp_seq=1 ttl=115 time=14.2 ms
64 bytes from 142.250.190.206: icmp_seq=2 ttl=115 time=13.8 ms
解説:
パケットの送信回数や応答時間が表示されます。icmp_seq
はパケット送信の順序、time
は応答時間(ms)を示します。
接続が成功すれば応答があり、ネットワークに問題がないことがわかります。
netstat / ss コマンド
netstat
は、ネットワーク接続の状態やルーティングテーブル、
インターフェースの統計情報を表示するコマンドです。ss
コマンドはより高速で詳細な情報を表示します。
例:
netstat -tuln
または、
ss -tuln
netstat -tuln
出力例:
Proto Recv-Q Send-Q Local Address Foreign Address State
tcp 0 0 0.0.0.0:22 0.0.0.0:* LISTEN
udp 0 0 0.0.0.0:68 0.0.0.0:*
解説:
Proto
はプロトコル(例: TCP/UDP)、Local Address
は接続元のアドレス、State
は接続状態を示します。
traceroute コマンド
このコマンドは、ネットワーク経路を調べ、通信の遅延や接続問題を診断します。
各ルーターの応答時間も表示されるため、どこで遅延が発生しているのか特定できます。
pingでは、Google.comに到達したかどうか?のみの確認しかできませんでしたがtraceroute
では、Google.comに通信が到達するまでにどのルーターやスイッチを経由し
通信が行われているのか?を判断することが可能です。
例:
traceroute google.com
traceroute google.com
出力例:
traceroute to google.com (142.250.190.206), 30 hops max
1 192.168.1.1 (192.168.1.1) 2.145 ms
2 10.10.0.1 (10.10.0.1) 3.256 ms
3 72.14.234.1 (72.14.234.1) 4.527 ms
解説:
- 経路上の各ホップ(ルーター)とその応答時間が一覧で表示されます。
hop
はパケットが経由するルーターの数、ms
は各ホップでの応答時間を示しています。ネットワーク遅延が発生している箇所を特定するのに役立ちます。
nslookup / dig コマンド
DNSサーバーに問い合わせを行い、ドメイン名に関連するIPアドレス情報を取得します。
これらはDNS設定の確認やドメイン解決の問題を特定するのに便利です。
例:
nslookup google.com
または、
dig google.com
nslookup google.com
出力例:
Server: 8.8.8.8
Address: 8.8.8.8#53
Non-authoritative answer:
Name: google.com
Address: 142.250.190.206
解説:
- ドメイン名とその対応するIPアドレスが表示されます。
Server
はDNSサーバー、Address
は問い合わせ結果で得られたIPアドレスです。digコマンドはより詳細な出力が得られるため、解析が必要な場面で役立ちます。
まとめ
ネットワーク管理はLinux環境において欠かせないスキルです。
この記事で紹介した ifconfig
や ping
などの基本コマンドを理解し、
実行結果を確認することで、ネットワークの状態を把握できるようになります。
LPIC1試験でもこれらのコマンドの理解は重要ですのでしっかりと覚えましょう。