ネットワーク障害対応後、「とりあえず復旧報告だけ出して終わり」になっていないでしょうか。 障害報告書は単なる報告ではなく、再発防止・信頼維持・評価向上のための重要ドキュメントです。
本記事では、実務でそのまま使えるレベルで
- 必ず記載すべき項目
- 評価が下がる報告書の特徴
- 再発防止につながる書き方
- そのまま使える報告テンプレート
を解説します。 この記事を読めば、障害報告書で迷うことはなくなります。
目次
なぜ障害報告書が重要なのか
- 顧客・上司への説明責任
- 再発防止策の明文化
- 監査・ISMS対策
- ナレッジ蓄積
特にネットワーク障害は「監視上は正常」「片系のみ影響」など、 表面的な情報だけでは実態が伝わらないケースが多いため、 構造化された報告が必要です。
必ず書くべき7項目(チェックリスト)
① 障害概要(What)
- 発生日時
- 復旧日時
- 影響範囲
- ユーザー影響内容
ポイント:技術詳細より先に、ビジネス影響を書く。
② 検知方法(How detected)
- 監視アラート
- ユーザー申告
- 定期点検
ここが曖昧だと「なぜ早期検知できなかったのか」という議論になります。
③ 発生原因(Root Cause)
技術的原因を明確にします。
- 設定ミス
- ルーティング不整合
- 非対称ルーティング
- セッション保持問題
- 機器故障
重要:推測と確定事項は分けて記載する。
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④ 影響範囲(Impact)
- 対象拠点
- 対象セグメント
- 影響ユーザー数
- 停止時間
可能であれば数値化します。
⑤ 対応内容(Action Taken)
- 確認手順
- 投入コマンド
- 設定変更内容
- 切替手順
例:
show ip route
show ip bgp summary
show standby brief
tcpdump -nn -i eth0 host 10.10.10.1
再現可能なレベルで書くことが重要です。
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⑥ 再発防止策(Preventive Action)
- 設計変更
- 監視追加
- 手順見直し
- 構成改善
ここが最も評価されるポイントです。
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⑦ 今後の課題・改善点
- 属人化排除
- ドキュメント整備
- テスト不足改善
評価が下がる報告書の典型例
- 「原因不明」で終わる
- 再発防止策が曖昧
- 影響範囲が未整理
- 技術詳細だけでビジネス影響がない
そのまま使える報告テンプレート
■ 障害概要
発生日時:
復旧日時:
影響範囲:
影響内容:
■ 検知方法
監視/ユーザー申告 等
■ 原因
一次原因:
二次要因:
■ 対応内容
実施手順:
投入コマンド:
変更内容:
■ 再発防止策
設計改善:
監視改善:
運用改善:
■ 今後の課題
再発防止につながる報告書の書き方
- 事実と推測を分ける
- 再現性を意識する
- 数値で示す
- 再発防止を具体化する
- 構造図を添付する
まとめ
ネットワーク障害報告書は「提出するための資料」ではなく、 組織の成熟度を上げるためのドキュメントです。
以下の7項目を必ず押さえてください。
- 概要
- 検知方法
- 原因
- 影響範囲
- 対応内容
- 再発防止策
- 改善点
これを徹底するだけで、報告書の質は大きく変わります。
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