新拠点を追加した直後に発生する通信トラブルは、設計段階の見落としが原因であることがほとんどです。
・本社とは通信できるが一部クラウドに接続できない
・拠点間VPNが不安定になる
・FWログに不審なドロップが増える
・トラフィックが急増し遅延が発生する
本記事では、拠点追加時に起きやすいネットワーク設計ミスを網羅し、 原因・確認方法・具体的対策までを整理します。
この記事を用いて設計レビューとトラブル予防が可能です。
目次
拠点追加で障害が起きる本質的な理由
既存ネットワークは「前提条件」に基づいて設計されています。 拠点追加はその前提を崩すため、
- IP設計の前提崩壊
- ルーティング規模の増加
- FWセッション負荷増大
- 回線帯域の再設計不足
- ポリシー制御の破綻
が同時多発的に発生します。
設計ミス①:IPアドレス重複・設計思想の破綻
よくある失敗
- 既存拠点と同じRFC1918アドレスを使用
- 将来拡張を考慮せず小さすぎるサブネット
- 用途混在(サーバ/端末/VoIPを同一セグメント)
確認コマンド(Linux)
ip route
ip addr
対策
- 拠点単位でアドレスブロックを予約(例:10.10.x.0/24)
- 将来拡張を見越し /23 や /22 を検討
- 用途別VLAN分割を徹底
拠点追加=IP設計再評価のタイミングです。
あわせて読みたい


IP設計変更時に必ず発生するトラブル例|完全対処ガイド
IPアドレス設計の変更は、拠点統合、セキュリティ強化、クラウド移行、ネットワーク更改などで必ず発生します。 しかし、事前準備が不十分だと高確率で通信障害が発生し…
設計ミス②:ルーティングポリシー未整理
発生例
- OSPFエリア設計が破綻
- BGPフィルタ未設定で経路リーク
- サマリルート誤設定
確認
show ip route
show ip ospf database
show ip bgp summary
判断基準
- 不要な経路が広がっていないか
- 経路数が急増していないか
- デフォルトルートが意図通りか
対策
- 拠点はスタブ化する
- サマリ設計を事前定義
- ルートマップでフィルタ徹底
あわせて読みたい


ルーティング変更が反映されない時の確認手順|即復旧のための完全チェックガイド
ルートを追加・変更したのに通信経路が変わらない。設定は正しいはずなのに、トラフィックが旧経路を通り続ける。 本記事では、ルーティング変更が反映されない原因を網…
設計ミス③:VPNトンネル設計不足
よくある症状
- 特定サーバだけ通信不可
- トンネルが断続的に切断
- 帯域逼迫
確認
show crypto isakmp sa
show crypto ipsec sa
原因
- Interesting Traffic未定義
- MTU/MSS未調整
- 帯域見積不足
対策
- 事前にトラフィック量算出
- MSSクランプ設定
- QoS設計同時実施
設計ミス④:FWポリシー設計の抜け漏れ
典型例
- 新拠点→本社は許可だが逆方向未定義
- サーバゾーン未追加
- NAT対象外
確認
show session
show running-config | include nat
対策
- 通信マトリクスを事前作成
- 双方向通信確認
- NAT/セキュリティポリシー同時レビュー
あわせて読みたい


非対称ルーティングがFW通信を壊す理由とは?【通信断・セッション切れの根本原因】
「通信は出ているのに応答が返ってこない」「FWを経由すると通信が不安定になる」 このようなトラブルの原因として、非常に多いのが非対称ルーティング(Asymmetric Rou…
設計ミス⑤:回線帯域とQoSの未再設計
拠点追加で最も多いのが帯域不足です。
確認
show interface
show policy-map interface
チェック項目
- ピーク帯域
- 音声トラフィック有無
- バックアップトラフィック
対策
- 帯域増速
- QoS再設計
- クラウド直収設計
設計ミス⑥:DNS/AD/認証基盤考慮不足
ネットワークだけでなく、認証基盤との整合も重要です。
よくある問題
- DNSフォワーダ未設定
- ADサイト未登録
- 認証遅延
確認
nslookup example.local
設計ミス⑦:監視・ログ設計の未追加
- SNMP監視対象未登録
- Syslog未転送
- アラート未設定
拠点追加時に監視対象追加を忘れると、 障害検知が遅れます。
失敗しないための事前チェックリスト
- IPアドレス体系見直し済み
- ルーティング設計更新済み
- FWポリシー通信マトリクス作成済み
- 帯域試算完了
- VPN MTU調整済み
- 監視登録済み
SEO観点で重要なキーワード網羅
本記事では以下の検索意図を網羅しています:
- 拠点追加 ネットワーク 設計
- 拠点間VPN トラブル
- IP重複 障害
- 拠点増設 通信不良 原因
- ネットワーク更改 設計ミス
まとめ|拠点追加は設計崩壊の起点になる
拠点追加は単なる装置増設ではありません。
IP・ルーティング・FW・帯域・監視の再設計
を同時に実施しなければ、 必ず後から障害が発生します。
あわせて読みたい


サブネット変更時に見落としがちなL3設計の罠|実務チェック完全版
「/24を/23に広げただけ」「アドレス帯を整理しただけ」それなのに通信障害が発生する。 サブネット変更は単なるIPレンジ変更ではありません。L3設計そのものに影響を与…
あわせて読みたい


L3スイッチ導入後に発生しがちな設計ミス
L2環境からの脱却、トラフィック分散、ルータ統合などを目的にL3スイッチを導入したものの、 通信が不安定になる 特定セグメントだけ遅い FWを跨ぐ通信が壊れる 冗長構…
