ネットワーク構成変更後に「時間が経つと直る」通信障害の正体

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ネットワーク構成変更後に、

「しばらく待つと自然に直る通信障害」

を経験したことはないでしょうか。

  • 最初は通信できなかったが、30分後には正常
  • 再起動せず放置しただけで直った
  • 原因が分からず「たまたま直った」で終わった

このタイプの障害は一見軽微に見えますが、

実際には「必ず理由があり、再発する可能性が高い」

のが特徴です。

本記事では、

  • なぜ時間経過で直るのか
  • その裏で何が起きているのか
  • どうなれば本当に解決と言えるのか

を、構成変更時にありがちな要因に絞って解説します。

目次

結論:原因は「キャッシュ・学習・タイマー」

時間が経つと直る通信障害の正体は、

ほぼすべてが「期限付き情報の更新待ち」です。

ネットワーク機器や端末は、

  • ARP キャッシュ
  • MAC アドレス学習
  • DHCP リース
  • セッション・状態情報

といった情報を「一定時間」保持します。

構成変更後も古い情報が残り、

期限切れになるまで誤った経路・設定で通信し続ける

ことで、部分的・一時的な障害が発生します。

原因① ARPキャッシュのエージング待ち

現象

  • 一部端末だけ通信不可
  • 再起動で即復旧することがある

なぜ時間が経つと直るか

ARPキャッシュは一定時間で破棄され、

  • 新しいIP-MAC対応が再学習される

ためです。

確認ポイント

  • arp -an
  • IP変更・GW変更があったか

本当の解決状態

全端末・機器でARP情報が最新になっている

原因② スイッチのMACアドレステーブル更新

現象

  • 特定ポート配下だけ通信不安定
  • VLAN変更後に発生

なぜ時間が経つと直るか

スイッチはMACアドレスを

  • ポート単位で学習
  • 一定時間でエージングアウト

します。

構成変更後、誤ったポート情報が残り続けると、

通信が別ポートへ転送される

状態になります。

解決判断

MACテーブルが正しいポートを指している

原因③ DHCPリース期限切れ

現象

  • IPは取得できているが通信不可
  • 数時間〜数日後に自然復旧

なぜ時間が経つと直るか

DHCP設定変更後も、

  • 旧リースを保持した端末

が存在し、リース更新時に新設定を取得するためです。

確認

  • リース時間
  • GW / DNS オプション

解決判断

全端末が新DHCP設定を取得済み

原因④ FW・NATのセッションタイムアウト

現象

  • 通信できたりできなかったりする
  • TCP再接続で復旧

なぜ時間が経つと直るか

FWやNATは、

  • 旧経路のセッション情報

を保持しており、タイムアウト後に新経路で再生成されます。

解決判断

新規セッションで常に通信できる

原因⑤ ルーティングプロトコルの収束待ち

現象

  • 経路が不安定
  • 時間とともに安定

なぜ時間が経つと直るか

OSPF / BGP などが

  • 経路計算
  • 再配布

を行い、最終的に正しい経路に収束するためです。

解決判断

ルーティングテーブルが安定している

「放置して直った」は解決ではない

時間経過で直る障害は、

次の構成変更・再起動で再発します。

本当に解決したと言えるのは、

  • キャッシュを意図的に更新・整理
  • 設定差分が完全に解消
  • 再起動や時間経過に依存しない

状態になったときです。

切り分けの優先順

  1. ARP / MAC キャッシュ
  2. DHCPリース
  3. FW・NATセッション
  4. ルーティング収束

まとめ

  • 「時間が経つと直る」は必ず理由がある
  • キャッシュ・学習・期限を疑う
  • 放置復旧は再発フラグ

通信障害は、

仕組みを理解すれば「待たずに直せる」ようになります。

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