ディスクI/O負荷対策として ionice を設定したのに、
- I/O wait が下がらない
- 業務レスポンスが改善しない
- 「ioniceって意味あるの?」と感じた
この状況は、 ioniceの使い方が間違っているのではなく、前提条件が満たされていない ことがほとんどです。
本記事では、 ioniceが効かない時に必ず確認すべきポイントを 上から順に潰せば原因に辿り着ける構成で解説します。
目次
結論:ioniceは「I/Oの取り合い」が起きていないと効かない
ionice は、 ディスクI/Oの競合時に優先度を調整する仕組みです。
つまり、
- そもそもI/Oが詰まっていない
- ディスクに余裕がある
状態では、 効果が見えなくて当然です。
確認①:本当にディスクI/Oがボトルネックか
確認コマンド
iostat -x 1
判断基準
- %util が常時 80~100%
- await が高止まり
この状態でなければ ionice が効かなくても正常です。
確認②:ioniceを設定したプロセスは正しいか
ionice は、 設定したプロセスにしか効きません。
よくある失敗として、
- 親プロセスだけに設定
- 実際にI/Oを出す子プロセスに未設定
があります。
確認方法
ps -o pid,ppid,ni,cmd -C プロセス名
I/Oを出しているPIDに設定されているか を確認します。
確認③:ioniceのクラス選択は正しいか
ioniceには クラスという概念があります。
主に使うクラス
- class 3(idle):空き時間のみ
- class 2(best-effort):通常制御
よくある誤解
class 3 を使えば「必ず影響が減る」と思いがちですが、
- そもそもディスクが常に忙しい
状態では、 処理がほぼ進まないこともあります。
確認④:ストレージやファイルシステムが対応しているか
ionice は、 ブロックI/Oスケジューラに依存します。
以下の場合、 効果が分かりづらいことがあります。
- NVMe
- 仮想環境(クラウド)
- ストレージ側でI/O制御されている
この場合、 OS側のioniceより下位レイヤーが支配的です。
確認⑤:他のプロセスがリアルタイム優先になっていないか
他のプロセスが、
- ionice class 1(realtime)
で動作していると、 ioniceを下げても効果が見えません。
class 1 は、 システム全体に影響するため原則非推奨です。
確認⑥:ionice単体で解決しようとしていないか
ionice は、 あくまで「調整」ツールです。
以下のようなケースでは、 根本解決になりません。
- ディスク性能不足
- 処理量が明らかに多すぎる
- 同時実行数が過剰
この場合は、 構成変更や処理設計の見直しが必要です。
「ioniceが効いている」と判断できる状態
- 業務プロセスのI/O待ちが減る
- バックアップ等が下位に追いやられる
- I/O wait が急上昇しない
ioniceが効かない時の正しい思考手順
- I/Oが本当に詰まっているか確認
- 犯人プロセスを iotop で特定
- 正しいPIDに設定
- クラス選択を見直す
- 構成・性能不足を疑う
まとめ
ionice が効かないのは、 設定ミスではなく、前提条件が崩れている ケースがほとんどです。
重要なのは、 「今、本当にI/Oの取り合いが起きているか」 を数値で確認することです。
本記事のチェックポイントを上から潰せば、 ioniceに対する誤解と無駄な設定から脱却できます。
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