「通信が遅い」「断続的に切れる」「時間帯によって不安定」
こうしたトラブルの裏で、最も多い原因の1つが帯域不足によるパケットドロップです。
本記事では、
帯域不足がなぜパケットドロップを引き起こすのか を整理し、 現場で実際に確認すべき手順を順番に解説します。
目次
そもそも帯域不足とは何か?
帯域不足とは、
回線やインターフェースが処理できる通信量を超えてトラフィックが流れている状態です。
この状態になると、ネットワーク機器は以下の選択を迫られます。
- バッファに溜める
- 処理しきれず破棄する(=ドロップ)
結果として、通信遅延・再送・タイムアウトが発生します。
帯域不足によるパケットドロップの代表的な症状
- 特定時間帯だけ通信が遅い
- TCP通信で再送が多発
- UDP通信が途切れる・音声が途切れる
- pingの応答が不安定
「回線はUpしているのに遅い」 場合は帯域不足を疑います。
原因①:物理・論理インターフェースの帯域超過
確認ポイント
- インターフェース使用率が常時高止まりしていないか
- ピーク時に100%近く張り付いていないか
確認コマンド例(Cisco系)
show interface GigabitEthernet0/1
見るべき項目
- input rate / output rate
- input errors / output drops
帯域使用率80%超が常態化している場合、 ドロップ発生リスクは非常に高いです。
原因②:インターフェースキュー溢れ(輻輳)
何が起きているか
トラフィックが急増すると、 インターフェースの送信キューが溢れ、パケットが破棄されます。
確認コマンド例
show interface | include drop
show controllers utilization
判断ポイント
- output drops が増加している
- 瞬間的なトラフィック増加と一致している
原因③:QoS未設計・誤設計によるドロップ
ありがちな状況
- 重要通信と不要通信が同一扱い
- 帯域制御がなくバーストが発生
確認ポイント
- QoSポリシーが適用されているか
- ドロップカウンタが増えていないか
確認コマンド例
show policy-map interface
QoSがない場合、重要通信も容赦なく破棄されます。
原因④:帯域見積もり不足(設計問題)
実務で多い設計ミス
- ピーク帯域を考慮していない
- 将来増加を見込んでいない
- バックアップ・アップデート通信を想定していない
一時的な大量通信(バックアップ、Windows Updateなど)が 輻輳の引き金になることは非常に多いです。
切り分け手順(実務順)
- インターフェース使用率を確認
- drop / error カウンタを確認
- トラフィック増加時間帯を特定
- QoSドロップ有無を確認
- 設計帯域と実トラフィックを比較
対処方法まとめ
- 回線・ポート増速
- QoSによる優先制御
- トラフィック分散(ECMP / LACP)
- バックアップ・大容量通信の時間分散
まとめ
- 帯域不足は「静かに通信を壊す」
- ドロップは必ずカウンタに現れる
- 設計・運用・監視の三点が重要
帯域不足トラブルは、
数値を見れば必ず気づける障害です。
感覚ではなく、インターフェースとキューの状態を確認することで、 確実に原因へ辿り着けます。
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