目次
whereis コマンドとは?
whereis
コマンドは、指定したコマンドやプログラムのバイナリファイル、
ソースコード、およびマニュアルページの位置を検索するためのツールです。
このコマンドは、システム管理やトラブルシューティングの際に役立ちます。
基本構文
whereis [オプション] コマンド名
- コマンド名: 検索対象のコマンドやプログラムの名前を指定します。
- オプション: 結果を絞り込んだり、検索対象をカスタマイズするための設定。
主なオプション一覧
オプション | 説明 |
---|---|
-b | バイナリファイルの場所のみを表示します。 |
-m | マニュアルページの場所のみを表示します。 |
-s | ソースコードの場所のみを表示します。 |
-B <ディレクトリ> | バイナリ検索の対象ディレクトリを指定します。 |
-M <ディレクトリ> | マニュアル検索の対象ディレクトリを指定します。 |
-S <ディレクトリ> | ソースコード検索の対象ディレクトリを指定します。 |
-f | 引数として与えた名前を無条件で検索します(オプションの終了を指定)。 |
--help | whereis コマンドの使用方法を表示します。 |
各オプションの実行例と結果
1. 基本的な使用
whereis ls
結果:
ls: /bin/ls /usr/share/man/man1/ls.1.gz
解説:
/bin/ls
はバイナリファイルの場所。/usr/share/man/man1/ls.1.gz
はマニュアルページの場所。
2. バイナリファイルのみを表示 (オプション -b
)
whereis -b ls
結果:
ls: /bin/ls
解説:
- バイナリファイルのパスのみが表示されます。
3. マニュアルページのみを表示 (オプション -m
)
whereis -m ls
結果:
ls: /usr/share/man/man1/ls.1.gz
解説:
- マニュアルページのパスのみが表示されます。
4. ソースコードのみを表示 (オプション -s
)
whereis -s ls
結果:
- 一部のシステムでは、ソースコードはインストールされていないため、結果が空になる場合があります。
ls:
5. 検索ディレクトリを指定して検索 (オプション -B
, -M
, -S
)
バイナリ検索ディレクトリを変更して検索:
whereis -B /usr/bin -f ls
結果:
ls: /usr/bin/ls
解説:
指定したディレクトリ /usr/bin
内でのみ検索します。
6. whereis コマンドの使用方法を表示 (オプション --help
)
whereis --help
結果:
Usage: whereis [options] [--] COMMAND [...]
Options:
-b Search only for binaries
-m Search only for manual sections
-s Search only for sources
-B list Define search path for binaries
-M list Define search path for manuals
-S list Define search path for sources
実用例
1. コマンドのインストール確認
whereis
を使って、特定のコマンドがシステムにインストールされているかを確認します。
whereis gcc
結果例:
gcc: /usr/bin/gcc /usr/share/man/man1/gcc.1.gz
解説:
/usr/bin/gcc
が存在するため、インストールされていることが分かります。
2. マニュアルの場所を特定
コマンドの詳細情報を知るために、マニュアルの場所を確認します。
whereis -m bash
結果例:
bash: /usr/share/man/man1/bash.1.gz
3. バイナリが複数場所に存在する場合の確認
複数バージョンのバイナリがある場合、どこに配置されているかを確認します。
whereis python
結果例:
python: /usr/bin/python /usr/local/bin/python /usr/share/man/man1/python.1.gz
locate や which との違い
コマンド | 主な機能 | 使用シナリオ |
---|---|---|
which | 環境変数 PATH に基づいてバイナリの場所を検索。 | コマンドが実行可能かを確認。 |
locate | ファイル名データベースから高速検索を行う。 | ファイルやディレクトリを名前で検索。 |
whereis | バイナリ、ソース、マニュアルを検索。 | コマンドのバイナリ、ソースコード、マニュアルの場所を包括的に確認。 |
注意点
- whereis はシステムにインデックスされたパスから検索を行うため、全ての場所を検索するわけではありません。
- locate のようなファイル名データベースを利用した検索とは異なり、検索対象が限られています。
まとめ
whereis
コマンドは、バイナリ、マニュアル、ソースコードの場所を包括的に検索する強力なツールです。
システム管理者にとって、コマンドの配置や構成を確認する際に役立ちます。
他の検索ツールと組み合わせることで、より効率的な管理が可能です。