目次
はじめに
Linuxで sudo
コマンドを使おうとした際、正しいパスワードを入力しているはずなのに拒否されることがあります。
例:
[sudo] password for user1:
Sorry, try again.
「間違っていないのに通らない」と感じる場合、ユーザー設定や認証まわりに原因がある可能性が高いです。
本記事では、その主な原因と解決方法を解説します。
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主な原因
- 対象ユーザーが
sudoers
に含まれていない - PAM(Pluggable Authentication Modules)の設定により制限されている
- CapsLock やキーボードレイアウトの問題で入力がずれている
解決方法
1. sudoers にユーザーが含まれているか確認
ユーザーが sudo
や wheel
グループに属していないと、正しいパスワードを入力しても拒否されます。
所属グループの確認
groups
出力例:
user1 : user1
もし sudo
(Ubuntu系)や wheel
(CentOS系)が表示されなければ追加します。
グループに追加
- Ubuntu/Debian系
sudo usermod -aG sudo user1
- CentOS/RHEL系
sudo usermod -aG wheel user1
再ログインして反映させましょう。
2. PAM の設定を確認
/etc/pam.d/sudo
の内容によっては、特定の条件で認証が制限されることがあります。
例:
auth required pam_tally2.so
がある場合 → ログイン失敗回数制限でロックされるauth required pam_listfile.so
がある場合 → 特定ユーザーが拒否される
もし意図せず制限されているなら、管理者権限で /etc/pam.d/sudo
を確認してください。
3. CapsLock / キーボードレイアウトの確認
意外と多いのがこちらです。
- CapsLock がオンになっている
- SSH 接続先のキーボードレイアウトが異なる
- 日本語キーボードと英語キーボードで記号入力が異なる
パスワードを入力するときは「見えない」ため、思い込みで入力している可能性があります。
一度テキストエディタに入力して確認してから、コピー&ペーストで貼り付けるのも有効です。
4. root で切り分け
もし sudo が通らないが root でログインできるなら、root で以下を確認してください。
/etc/sudoers
の設定 (visudo
で編集)/etc/pam.d/sudo
の内容- ユーザーの所属グループ
まとめ
- 正しいパスワードなのに sudo が拒否される場合 → sudoers設定・PAM設定・入力ミスを順に確認
- Ubuntu系なら
sudo
グループ、CentOS系ならwheel
グループに所属しているかをチェック - PAM 設定で制限されていないか確認する
- CapsLock やレイアウトの違いといった単純な要因も見落とさない。
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