(AWS EC2 を例にした汎用的な手順)
EBS ボリュームがアタッチできない・マウントできないトラブルは、
AWS 環境でよく遭遇する代表的なストレージ関連の問題です。
本記事では、EBS がアタッチできない/再マウントできないときの原因と確認・修正手順 を
コマンド例・正常/異常出力つきでわかりやすく解説します。
目次
1. 現象の整理
状況 | 症状 |
---|---|
アタッチできない | EC2 コンソールで「アタッチに失敗しました」エラーが出る |
再マウントできない | /dev/xvdf などのデバイスが見つからず mount に失敗する |
起動後に消える | 再起動後に EBS が自動マウントされない |
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2. 確認ポイントと正常/異常例
(1) ボリュームの状態を確認する
コマンド
aws ec2 describe-volumes --volume-ids vol-xxxxxxxxxxxxxxxx
正常例
"State": "in-use",
"Attachments": [
{
"State": "attached",
"Device": "/dev/xvdf",
"InstanceId": "i-0abc1234def56789"
}
]
✅ State
が "in-use"
で attached
になっていれば正常。
異常例
"State": "available"
⚠️ "available"
→ どのインスタンスにもアタッチされていない。
対処
aws ec2 attach-volume --volume-id vol-xxxxxxxx --instance-id i-xxxxxxxx --device /dev/xvdf
(2) OS 側でデバイスを認識しているか確認
コマンド
lsblk
正常例
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
xvda 202:0 0 30G 0 disk /
xvdf 202:80 0 100G 0 disk
異常例
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
xvda 202:0 0 30G 0 disk /
⚠️ xvdf
が表示されていない → OS がまだデバイスを認識していない。
対処
sudo rescan-scsi-bus
# もしくは
echo "- - -" | sudo tee /sys/class/scsi_host/host*/scan
再スキャン後、再度 lsblk
でデバイスを確認。
(3) ファイルシステムの整合性確認
コマンド
sudo file -s /dev/xvdf
正常例
/dev/xvdf: Linux rev 1.0 ext4 filesystem data, UUID=xxxx
異常例
/dev/xvdf: data
⚠️ ファイルシステムが壊れている、もしくは未フォーマット。
対処
ファイルシステムが壊れている場合:
sudo fsck -y /dev/xvdf
フォーマットされていない場合:
sudo mkfs.ext4 /dev/xvdf
(4) マウント設定の確認
コマンド
sudo mkdir -p /data
sudo mount /dev/xvdf /data
df -h
正常例
/dev/xvdf 99G 1G 98G 1% /data
異常例
mount: /data: wrong fs type, bad option, bad superblock...
⚠️ ファイルシステム不一致、もしくは /etc/fstab
設定誤り。
対処
- ファイルシステムを確認 (
file -s /dev/xvdf
) /etc/fstab
の記述を修正:
/dev/xvdf /data ext4 defaults,nofail 0 2
設定後、自動マウント確認:
sudo systemctl daemon-reload
sudo mount -a
(5) デタッチ/アタッチを繰り返しても認識しない場合
原因
- デバイス名が変化している
(例:AWS では/dev/sdf
が/dev/xvdf
にマップされる)
確認
dmesg | grep sd
対処
- 正しいデバイス名を
lsblk
で特定し、mount
コマンドで指定 - 再マウント前にデタッチ→再アタッチを実施
3. よくある原因と対処対応表
症状 | 原因 | 確認コマンド | 解決方法 |
---|---|---|---|
AWS コンソールでアタッチ失敗 | インスタンス ID または AZ 不一致 | describe-volumes | 同一 AZ のインスタンスを指定して再アタッチ |
OS でデバイスが見えない | SCSI 再スキャン未実施 | lsblk | rescan-scsi-bus または /sys/class/scsi_host に書き込み |
ファイルシステム不明 | 壊れている/未作成 | file -s /dev/xvdf | fsck または mkfs.ext4 |
マウントエラー | /etc/fstab 設定誤り | /etc/fstab 確認 | UUID かデバイス名を正しく修正 |
再起動で消える | fstab に登録されていない | /etc/fstab | defaults,nofail 付きで登録 |
4. まとめ
EBS アタッチやマウントの問題は、
「AWS 側でアタッチされていない」 のか、「OS 側で認識できていない」 のかを切り分けることが重要です。
- AWS CLI でボリューム状態確認
- OS 側で
lsblk
・file
・df
による可視化 - 必要に応じてファイルシステム修復・再フォーマット
これらを順に実施すれば、EBS が認識されない・再マウントできない問題 は確実に解消できます。