サーバー更改後に、
- 処理が遅くなった
- レスポンスが悪化した
- ピーク時に詰まりやすくなった
という相談は非常に多く、
「スペックは上がっているのに遅い」
というケースも珍しくありません。
本記事では、
- 更改後に性能が落ちる典型パターン
- 切り分けの正しい順番
- どこまで確認すれば原因特定と言えるか
を実務視点で整理します。
目次
切り分けの大原則
性能劣化が起きたときに最も重要なのは、
「旧サーバーとの差分」を基準に考えること
です。
更改後サーバー単体を見ても、
- CPUが低負荷
- メモリも余っている
というケースは多く、誤診しやすいためです。
① 本当に性能が落ちているかを確認
まずは主観ではなく、
- 処理時間
- レスポンス時間
- スループット
が実際に悪化しているかを確認します。
OK判断: 数値として旧環境より悪化している
② CPU性能の切り分け
確認コマンド
top
mpstat
見るポイント
- user / system が張り付いていないか
- iowait が高くないか
注意: CPU idle が高くても遅いケースは多い
③ メモリ・スワップの切り分け
確認コマンド
free -m
vmstat 1
見るポイント
- swap が使われ始めていないか
- si / so が増えていないか
OK判断: スワップが常用されていない
④ ディスクI/Oの切り分け
確認コマンド
iostat -x 1
見るポイント
- %util が張り付いていないか
- await が旧環境より増えていないか
よくある原因:
- ストレージ種別変更
- I/Oスケジューラ差分
⑤ ネットワーク性能の切り分け
確認コマンド
ss -s
ip -s link
見るポイント
- 再送(retransmission)の増加
- drop エラー
注意: MTU 不一致や仮想NIC差分が原因のことが多い
⑥ カーネルパラメータ差分
確認例
sysctl -a | grep net.
重要:
- 旧サーバーでチューニングしていたか
- デフォルトに戻っていないか
⑦ アプリケーション起因の確認
更改時に、
- ミドルウェアのバージョン変更
- 設定初期化
が入っていることがあります。
OK判断: 旧環境と同等設定で動作している
⑧ 仮想環境特有の落とし穴
- vCPU割当方式の変更
- NUMA 構成差分
- ストレージ共有度合い
物理性能は上でも、実効性能が下がることがあります。
切り分けの正しい順番まとめ
- 本当に性能が落ちているか
- CPU / メモリ / I/O のどこか
- 旧環境との差分
- 設定か設計か
「原因特定できた」と判断する基準
- 差分を説明できる
- 元に戻す or 調整で改善する
- 再発防止策が言語化できる
まとめ
- 更改後の性能劣化は珍しくない
- 単体ではなく差分で見る
- 順序立てた切り分けが最短
焦って設定をいじる前に、
「どこが変わったか」を整理する
これが最も重要です。
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