この記事でわかること
この記事では、翻訳AI(機械翻訳)が どのような仕組みで言語を変換しているのか を、AI-900(Azure AI Fundamentals)の試験範囲に沿って解説します。
単なる「英語→日本語変換」ではなく、
AIが文の意味をどう捉え、どう別の言語に再構成しているのか という本質を理解できる内容になっています。
翻訳AI(機械翻訳)とは
翻訳AIとは、 ある言語で書かれた文章を、別の言語に自動変換するAI技術 です。
Google翻訳やDeepL、Azure AI Translator などが代表例で、 日常生活からビジネスまで幅広く利用されています。
重要なのは、 翻訳AIは単語を一対一で置き換えているわけではない という点です。
翻訳AIの進化の歴史
翻訳AIは、次の3つの段階を経て進化してきました。
① ルールベース翻訳
人間が文法ルールや辞書を定義し、 「この構文ならこう訳す」と決め打ちする方式です。
- 文法ルールに厳密
- 例外に弱い
- 自然な表現が難しい
現在ではほとんど使われていません。
② 統計的機械翻訳(SMT)
大量の対訳データをもとに、 「この単語の並びは、この訳になる確率が高い」 という統計モデルを使う方式です。
ルールベースより精度は向上しましたが、 文全体の意味理解には限界がありました。
③ ニューラル機械翻訳(NMT)
現在主流なのが ニューラルネットワークを用いた翻訳 です。
文全体を一つの意味単位として捉え、 前後関係や文脈を考慮して翻訳します。
Azure AI Translator も、この方式を採用しています。
翻訳AIの基本的な仕組み
ニューラル機械翻訳は、大きく次の流れで動きます。
① 入力文を数値に変換する
文章はそのままではAIが理解できないため、 単語や文を数値ベクトルに変換します。
これにより、 「意味が近い単語ほど近い数値」 という表現が可能になります。
② 文全体の意味を理解する
AIは単語単位ではなく、 文全体の意味・文脈 を内部で表現します。
これにより、 主語・目的語・時制などを考慮した翻訳が可能になります。
③ 別の言語で文章を生成する
理解した意味をもとに、 出力言語の文法・語順に合わせて 文章を生成します。
この段階で、 「自然な言い回し」が生まれます。
なぜ直訳ではなく自然な翻訳ができるのか
翻訳AIは、
「単語」ではなく「意味」を翻訳している
からです。
例えば、
「I’m looking forward to seeing you.」
を、
「私はあなたを見ることを前向きに見ています」
とは訳しません。
文全体の意味を捉え、
「お会いできるのを楽しみにしています」
という自然な日本語に変換します。
翻訳AIが苦手なケース
- 強い比喩やジョーク
- 文化的背景が必要な表現
- 専門用語が多い文章
- 文脈が極端に短い場合
AIはあくまで 学習データに基づいて判断する ため、 背景知識が必要な翻訳は苦手です。
Azure AI Translatorの位置づけ(AI-900)
AI-900では、 翻訳AIは Azure AI Translator として紹介されます。
ポイントは、
- 事前学習済みモデルをAPIで利用
- モデル構築は不要
- 多言語対応が容易
「多言語対応アプリを作りたい」 という要件に対し、 翻訳AIを選択できるかどうかが重要です。
試験で問われやすいポイント
- 翻訳AIはNLPの一分野
- 単語置換ではなく意味変換
- Azure AI Translatorの役割
特に、 「翻訳」「要約」「分類」の混同 には注意が必要です。
まとめ
- 翻訳AIは文全体の意味を理解して翻訳する
- 現在主流はニューラル機械翻訳
- Azure AI Translatorで簡単に利用可能
- AI-900では用途理解が最重要
翻訳AIの仕組みを理解できれば、 自然言語処理分野の理解が一段深まります。
