サーバー更改で発生するトラブルの多くは、
「設定が引き継がれていなかった」
ことが原因です。
特に Linux では、
- OS再インストールで消える設定
- デフォルトに戻る設定
- 手動でしか復元できない設定
が数多く存在します。
本記事では、
- 更改時に引き継がれない代表的なLinux設定
- 引き継がれない理由
- 確認・対処方法
を 一覧形式 で整理します。
目次
① sysctl(カーネルパラメータ)
最も多い見落としポイントです。
なぜ引き継がれないか
- OSインストール時に初期化
- チューニングは手動設定が多い
確認
sysctl -a
対処
- /etc/sysctl.conf
- /etc/sysctl.d/*.conf
に明示的に設定する
② ulimit / limits.conf
影響
- 接続数上限
- プロセス起動失敗
確認
ulimit -a
cat /etc/security/limits.conf
注意: systemd サービスは別途設定が必要
③ firewalld / iptables 設定
理由
- 設定ファイルが初期状態
- 一時的設定が消える
確認
firewall-cmd --list-all
対処
- –permanent の使用
- 設定の明文化
④ systemd サービスの自動起動設定
サービス自体は入っているが、
enabled されていない
ケースが非常に多いです。
確認
systemctl list-unit-files --state=enabled
⑤ ログ設定(rsyslog / journald)
なぜ問題になるか
- ログが保存されない
- 転送されない
確認
systemctl status rsyslog
journalctl --disk-usage
⑥ cron / 定期ジョブ
対象
- crontab -e
- /etc/cron.*
確認
crontab -l
ls /etc/cron.*
注意: ユーザー別 crontab の移行漏れ
⑦ 環境変数・プロファイル
対象
- /etc/profile
- ~/.bashrc
影響: 実行コマンドやパスが変わる
⑧ ネットワーク詳細設定
見落としがちな項目
- MTU
- NICドライバ
- オフロード設定
確認
ip link
ethtool -k eth0
⑨ SELinux のモード・ポリシー
モードは引き継がれても、
カスタムポリシーが消える
ことがあります。
確認
getenforce
⑩ 一時対応で入れた設定
- 手動sysctl変更
- 一時的iptables
そもそも記録されていないことが多いです。
引き継がれているかの最終判断基準
- 旧サーバーとの差分を説明できる
- 再起動後も同じ状態
- 性能・通信に問題がない
まとめ
- Linux設定は自動では引き継がれない
- 特にチューニング系は要注意
- 一覧化して確認するのが最短
この一覧をチェックするだけで、
更改後トラブルの多くは未然に防げます。
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